第5章 RASクライアントIP接続の設定
一般公衆回線及びINSネット64(ISDN)回線を利用して遠隔地のLANへRASクライアントIP接続を行うための設定について説明します。

【 環境例 】

RASサーバーに接続されているLANがインターネットに接続されている場合、NetGenesisのRASクライアントからRASサーバー経由でインターネットへ接続することができます。

RASクライアントIP接続ではProxyDNS機能/マルチアカウント機能により複数の接続先を登録し、切り替えて接続することができます。

ProxyDNS機能
複数登録した接続先にあわせて使用するDNSサーバーを切り替える機能です。
NetGenesisのDHCPサーバー、もしくはパソコンにDNSサーバーのIPアドレスとしてNetGenesis本体のIPアドレスを設定することにより、接続先が変わってもDNSサーバーの設定を変更する必要がなくなります。

 

マルチアカウント機能
ダイヤルアップIP接続の際に接続先を最大4ヶ所登録し、接続先を必要に応じて切り替える機能です。
この機能により、1つのシリアルポートでRASクライアントIP接続とISP・端末型ダイヤルアップIP接続を切り替えて接続することも可能になります。
登録/切り替えが可能なNetGenesisの接続機能と登録数は以下の通りです。

・ISP・端末型ダイヤルアップIP接続 : 3ヶ所
・RASクライアントIP接続 : 1ヶ所

  • [RASクライアントIP接続]を選択して[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。

  • そのシリアルポート(モデムポート)でRASサーバーも併用する場合は[RASクライアントIP接続とRASサーバーIP接続を併用]を選択して[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。

5-1 アカウントとアクセスポイントの設定 へ進んで下さい。

※以降、画面はNetGenesis Dualの例です。

 

ISP・端末型ダイヤルアップIP接続、またはRASクライアントIP接続はNetGenesisのどちらか片方のシリアルポート/モデムポートでのみ使用できます。

例えば、NetGenesis Dualのシリアルポート1をISP・端末型ダイヤルアップIP接続で使用する場合、シリアルポート2ではISP・端末型ダイヤルアップIP接続、またはRASクライアントIP接続を使用することができません。

それぞれのシリアルポート/モデムポートで組み合わせて使用することができる機能については 3-7 シリアルポート/モデムポートの選択の「接続機能の組み合わせ」 を参照して下さい。

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5-1 アカウントとアクセスポイントの設定
RASサーバーへ接続するためのユーザー名、パスワード、アクセスポイントの設定を行います。

以下の各設定を行って下さい。

ユーザー名とパスワードを入力する際、半角大文字と小文字を間違えないように注意して下さい。
大文字と小文字を間違えるとRASサーバーと接続できません。
[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は全て「***************」と表示されます。
また、上記の画面を閉じ、再度開くと[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は入力したパスワードの文字数に関係なく「***************」と表示されます。
アクセスポイントを間違えないよう注意して下さい。
間違った番号を入力すると間違い電話をかけ続けてしまう恐れがあります。

5-2 コールバックの設定 へ進んで下さい。

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5-2 コールバックの設定
コールバック接続の設定を行います。

コールバック接続は以下のような動作をします。

以下の中からRASサーバーの設定にあわせてコールバックの設定を行って下さい。

  • コールバックを要求しない
    コールバックを使用せずに接続します。
    そのまま「コールバックを要求する」にチェックを入れず、5-3 クライアントIPアドレスの設定 へ進んで下さい。




  • サーバー側で事前に設定した電話番号へコールバックする
    あらかじめRASサーバーに設定した電話番号へコールバック接続されます。
    [コールバックを要求する]にチェックを入れ、[サーバー側で事前に設定した電話番号]を選択して下さい。




  • クライアントから指定した電話番号へコールバックを要求する
    RASサーバーへの接続時、こちら(RASクライアント)から指定する電話番号へコールバックされます。
    [コールバックを要求する]にチェックを入れ、[クライアントから電話番号を指定]を選択して下さい。
    [電話番号]欄にコールバック先の電話番号(モデム/TAに接続されている電話回線の電話番号)を半角数字で入力して下さい。


電話番号を間違えないよう注意して下さい。
間違った電話番号を設定した場合、間違った電話番号にコールバックされてしまいます。
接続先のRASサーバーがWindows 95 + PLUS!、またはWindows 98のRASサーバー(ダイヤルアップサーバー)を使用している場合、コールバックは使用できません。
コールバックの設定は必ずRASサーバー側と同じ設定にして下さい。
サーバーとクライアントの設定が一致しないと接続できませんので注意して下さい。

設定が一致しない場合は以下の表のような動作をします。





5-3 RASクライアントIPアドレスの設定 へ進んで下さい。

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5-3 RASクライアントIPアドレスの設定
RASサーバーに接続するためのIPアドレスの設定を行います。
  • RASサーバーから取得
    接続時にRASサーバー(接続先のLAN)から割り当てられたIPアドレスを自動取得します。
    [RASサーバーから取得]を選択して下さい。




  • RASクライアントから指定
    あらかじめRASサーバー(接続先のLAN)から取得しているIPアドレスを指定します。
    [RASクライアントから指定]を選択して[IPアドレス]欄にRASサーバーから取得しているIPアドレスを入力して下さい。

上記画面は設定例です。
既存のLANやRASサーバーからの情報等を元に設定して下さい。
必ずRASサーバー側と同じ設定にして下さい。
サーバーとクライアントの設定が一致しないと接続できませんので注意して下さい。
接続先のRASサーバーがWindows 95 + PLUS!、またはWindows 98のRASサーバー(ダイヤルアップサーバー)を使用している場合、IPアドレスをRASサーバーから自動取得できません。
必ず[RASクライアントから指定]するように設定して下さい。

5-4 DNSサーバー・IPアドレスの設定 へ進んで下さい。

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5-4 DNSサーバー・IPアドレスの設定
接続先のLAN内にDNSサーバーが設置されている場合や、接続先のRASサーバー経由でインターネットへ接続する場合等のDNSサーバーのIPアドレスを設定します。

インターネットへ接続しないLAN環境等、DNSサーバーのIPアドレスを入力する必要が無い場合、[DNSサーバー・IPアドレス]欄は空欄のままでかまいません。
5-5 IPアドレス変換の設定
へ進んで下さい。

[プライマリDNS]欄にDNSサーバーのIPアドレスを半角英数字で入力して下さい。
これによりProxyDNS機能が使用され、同時にマルチアカウント機能を使用することができます。

プライマリとセカンダリの2つのDNSサーバーがある場合、プライマリDNSのIPアドレスを入力して下さい。
画面は設定例です。画面ように「111.111.111.111」を入力してもDNSは使用できませんので注意して下さい。

5-5 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。

 

ただし、以下のような設定を行っている場合、[DNSサーバー・IPアドレス]の設定は不要です。

  • NetGenesisのDHCPサーバーを使用する場合
    DHCPサーバー設定の[プライマリDNS]にDNSサーバーのIPアドレスを設定している場合、本設定は不要です。(この場合はマルチアカウント機能を使用できません。)
    5-5 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。




  • NetGenesisのDHCPサーバーを使用しない場合
    パソコンのTCP/IP設定のDNS設定にDNSサーバーのIPアドレスを設定している場合、本設定は不要です。(この場合はマルチアカウント機能を使用できません。)
    5-5 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。

 

5-5 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。

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5-5 IPアドレス変換の設定
IPアドレス変換の設定を行います。

 [アドレス変換方式]の設定

NetGenesisは「IPマスカレード」と「NAT」の2種類のアドレス変換方式を搭載しています。


IPマスカレード(工場出荷値)


複数台のパソコンから同時にRASサーバーへ接続する場合に選択して下さい。



IPマスカレードでは最大256セッションのデータのやりとりが可能です。
例えば、1台のパソコンでRASサーバーを経由してインターネットへ接続する場合、WWWブラウザや電子メールソフトウェア等により約10セッション程度使用すると考えられます。

すなわち、約20台程度のパソコンから同時にインターネットへ接続できると考えられます。

通常はIPマスカレードを使用すると良いでしょう。

[DNSサーバー・IPアドレス]欄にDNSサーバーのIPアドレスを入力した場合は必ず[IPマスカレード]を選択して下さい。
LAN内に以下のような用途で使用するパソコンがある場合、[IPマスカレード]の[詳細設定]が必要です。
例1)WWWサーバーやFTPサーバーを運用する。
例2)ネットワーク対戦ゲームを行う。

設定方法等については 9-6 IPマスカレードの詳細設定 を参照して下さい。(設定を行うためにはTCP/IPプロトコルの知識が必要です。)

[アドレス変換情報]の設定 へ進んで下さい。

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NAT


1台ずつのパソコンからRASサーバーへ接続する場合に選択して下さい。



複数台のパソコンからRASサーバーへ接続することは可能ですが、IPマスカレードのように複数台のパソコンから同時にRASサーバーへ接続することはできません。

接続できるのは1台ずつで、その1台が接続を終えるまで他のユーザー(パソコン)はRASサーバーへ接続することができません。

[DNSサーバー・IPアドレス]欄にのDNSサーバーのIPアドレスを入力した場合は[NAT]を選択しないで下さい。

[アドレス変換情報]の設定 へ進んで下さい。

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 [アドレス変換情報]の設定

ここで設定した時間内に通信が無かった場合、RASサーバーへの接続権利を他のユーザー(パソコン)へ譲ります。

工場出荷値は3分です。
特に変更する必要が無い場合はそのままお使い下さい。

IPマスカレード使用時は256セッションを越えた場合、NAT使用時は1台がRASサーバーへ接続している場合、それ以降は新たなユーザー(パソコン)がRASサーバーへ接続しようとしても接続できません。

無通信状態がここで設定する[情報保持時間]を過ぎた場合に接続権利を譲るため、新たなユーザー(パソコン)がRASサーバーへ接続できるようになります。

設定が終わりましたら[OK]ボタンをクリックして下さい。


以下のように読み進んで下さい。

[RASクライアントIP接続]を選択した場合
[RASクライアントIP接続とRASサーバーIP接続を併用]を選択した場合
[RASサーバーの設定]ボタンをクリックして 第6章 RASサーバーIP接続の設定 へ進んで下さい。



接続先のRASサーバーがWindows NT4.0標準のRASサーバーを使用している場合、5-8 Windows NT4.0のRASサーバーの設定 を参照して下さい。

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