第4章 ISP・端末型ダイアルアップIP接続の設定
ISPへ端末型ダイヤルアップIP接続を行うための設定について説明します。

NetGenesisを導入する前に1台のパソコンにモデム/TAを接続してダイヤルアップIP接続を行っていた(Windowsのダイヤルアップネットワークを使用してISPへ接続していた)場合、NetGenesisの接続機能の中の「ISP・端末型ダイヤルアップIP接続」を使用します。

ISP・端末型ダイヤルアップIP接続ではProxyDNS機能/マルチアカウント機能により複数の接続先を登録し、切り替えて接続することができます。

ProxyDNS機能
複数登録した接続先にあわせて使用するDNSサーバーを切り替える機能です。
NetGenesisのDHCPサーバー、もしくはパソコンにDNSサーバーのIPアドレスとしてNetGenesis本体のIPアドレスを設定することにより、接続先が変わってもDNSサーバーの設定を変更する必要がなくなります。

 

マルチアカウント機能
ダイヤルアップIP接続の際に接続先を最大4ヶ所登録し、接続先を必要に応じて切り替える機能です。
この機能により、1つのシリアルポートでRASクライアントIP接続とISP・端末型ダイヤルアップIP接続を切り替えて接続することも可能になります。
登録/切り替えが可能なNetGenesisの接続機能と登録数は以下の通りです。

・ISP・端末型ダイヤルアップIP接続 : 3ヶ所
・RASクライアントIP接続 : 1ヶ所

  • [ISP・端末型ダイヤルアップIP接続]を選択して[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。

  • そのシリアルポート(モデムポート)でRASサーバーも併用する場合は[ISP・端末型ダイヤルアップIP接続とRASサーバーIP接続を併用]を選択して[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。

4-1 アカウントとアクセスポイントの設定 へ進んで下さい。

※以降、画面はNetGenesis Dualの例です。

 

契約しているISPから提供されている接続資料等を用意して下さい。
ISP・端末型ダイヤルアップIP接続、またはRASクライアントIP接続はNetGenesisのどちらか片方のシリアルポート/モデムポートでのみ使用できます。

例えば、NetGenesis Dualのシリアルポート1をISP・端末型ダイヤルアップIP接続で使用する場合、シリアルポート2ではISP・端末型ダイヤルアップIP接続、またはRASクライアントIP接続を使用することができません。

それぞれのシリアルポート/モデムポートで組み合わせて使用することができる機能については 3-7 シリアルポート/モデムポートの選択の「接続機能の組み合わせ」 を参照して下さい。

先頭へ戻る


4-1 アカウントとアクセスポイントの設定
ISPへ接続するためのアカウント(ユーザー名)、パスワード、アクセスポイントの設定を行います。

以下の各設定を行って下さい。

ユーザー名とパスワードを入力する際、半角大文字と小文字を間違えないように注意して下さい。
大文字と小文字を間違えるとISPと接続できません。
[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は全て「***************」と表示されます。
また、上記の画面を閉じ、再度開くと[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は入力したパスワードの文字数に関係なく「***************」と表示されます。
アクセスポイントを間違えないよう注意して下さい。
間違った番号を入力すると間違い電話をかけ続けてしまう恐れがあります。
アクセスポイント1が通話中(BUSY)の場合はアクセスポイント2へダイヤルし、アクセスポイント2も通話中(BUSY)の場合はアクセスポイント3へ、と順番にダイヤルを行います。
アクセスポイント1〜3の全てが通話中(BUSY)の場合はダイヤル動作を終了します。

4-2 DNSサーバーIPアドレスの設定 へ進んで下さい。

先頭へ戻る


4-2 DNSサーバー・IPアドレスの設定
ISPのDNSサーバーのIPアドレスを設定します。

[プライマリDNS]欄にISPのDNSサーバーのIPアドレスを半角英数字で入力して下さい。
これによりProxyDNS機能が使用され、同時にマルチアカウント機能を使用することができます。

ISP側でプライマリとセカンダリの2つのDNSサーバーがある場合、プライマリDNSのIPアドレスを入力して下さい。
画面は設定例です。画面ように「111.111.111.111」を入力してもDNSは使用できませんので注意して下さい。

4-3 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。

 

ただし、以下のような設定を行っている場合、[DNSサーバー・IPアドレス]の設定は不要です。

  • NetGenesisのDHCPサーバーを使用する場合
    DHCPサーバー設定の[プライマリDNS]にISPのDNSサーバーのIPアドレスを設定している場合、本設定は不要です。(この場合は複数のISPを登録できません。)
    4-3 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。




  • NetGenesisのDHCPサーバーを使用しない場合
    パソコンのTCP/IP設定のDNS設定にISPのDNSサーバーのIPアドレスを設定している場合、本設定は不要です。(この場合は複数のISPを登録できません。)
    4-3 IPアドレス変換の設定 へ進んで下さい。

先頭へ戻る


4-3 IPアドレス変換の設定
IPアドレス変換の設定を行います。

 [アドレス変換方式]の設定

NetGenesisは「IPマスカレード」と「NAT」の2種類のアドレス変換方式を搭載しています。


IPマスカレード(工場出荷値)


複数台のパソコンから同時にインターネットへ接続する場合に選択して下さい。



IPマスカレードでは最大256セッションのデータのやりとりが可能です。
通常、1台のパソコンでインターネットへ接続する場合、WWWブラウザや電子メールソフトウェア等により約10セッション程度使用すると考えられます。

すなわち、約20台程度のパソコンから同時にインターネットへ接続できると考えられます。

通常はIPマスカレードを使用すると良いでしょう。

[DNSサーバー・IPアドレス]欄にISPのDNSサーバーのIPアドレスを入力した場合は必ず[IPマスカレード]を選択して下さい。
LAN内に以下のような用途で使用するパソコンがある場合、[IPマスカレード]の[詳細設定]が必要です。
例1)WWWサーバーやFTPサーバーを運用する。
例2)ネットワーク対戦ゲームを行う。

設定方法等については 9-6 IPマスカレードの詳細設定 を参照して下さい。(設定を行うためにはTCP/IPプロトコルの知識が必要です。)

[アドレス変換情報]の設定 へ進んで下さい。

先頭へ戻る


NAT


1台ずつのパソコンからインターネットへ接続する場合に選択して下さい。



複数台のパソコンからインターネットへ接続することは可能ですが、IPマスカレードのように複数台のパソコンから同時にインターネットへ接続することはできません。

接続できるのは1台ずつで、その1台が接続を終えるまで他のユーザー(パソコン)はインターネットへ接続することができません。

[DNSサーバー・IPアドレス]欄にISPのDNSサーバーのIPアドレスを入力した場合は[NAT]を選択しないで下さい。

[アドレス変換情報]の設定 へ進んで下さい。

先頭へ戻る


 [アドレス変換情報]の設定

ここで設定した時間内に通信が無かった場合、インターネットへの接続権利を他のユーザー(パソコン)へ譲ります。

工場出荷値は3分です。
特に変更する必要が無い場合はそのままお使い下さい。

IPマスカレード使用時は256セッションを越えた場合、NAT使用時は1台がインターネットへ接続している場合、それ以降は新たなユーザー(パソコン)がインターネットへ接続しようとしても接続できません。

無通信状態がここで設定する[情報保持時間]を過ぎた場合に接続権利を譲るため、新たなユーザー(パソコン)がインターネットへ接続できるようになります。

設定が終わりましたら[OK]ボタンをクリックして下さい。


以下のように読み進んで下さい。

[ISP・端末型ダイヤルアップIP接続]を選択した場合

[ISP・端末型ダイヤルアップIP接続とRASサーバーIP接続を併用]を選択した場合
[RASサーバーの設定]ボタンをクリックして 第6章 RASサーバーIP接続の設定 へ進んで下さい。

先頭へ戻る