− NetGenesis SuperOPTシリーズ 設定ガイド −
PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定

PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定は、「LAN内にプライベートIPアドレスを割り当て、プロバイダから指定されたグローバルIPアドレスをNAT/IPマスカレード変換する」ための設定です。

以下の環境を例に、設定方法を説明します。
◆回線事業者:NTT東日本/NTT西日本 Bフレッツ
◆プロバイダから指定されたグローバルIPアドレス xxx.xxx.xxx.200/29(8個)
(xxx.xxx.xxx.200〜xxx.xxx.xxx.207)
◆プロバイダから指定されたネームサーバー(DNS)
yyy.yyy.yyy.yyy
zzz.zzz.zzz.zzz
 (プライマリDNS)
 (セカンダリDNS)
LAN内にWWWサーバー、メールサーバー、DNSサーバーを設置し、インターネット側へ公開する。
  公開方法はNetGenesisのIPアドレス変換機能の「NAT変換(1対1)」を使用する。
  インターネット側からは以下のグローバルIPアドレスでアクセスできるようにする。
 
 ・WWWサーバー xxx.xxx.xxx.202
(WWWサーバーのプライベートIPアドレス:192.168.0.2)
 ・メールサーバー xxx.xxx.xxx.203
(メールサーバーのプライベートIPアドレス:192.168.0.3)
 ・DNSサーバー xxx.xxx.xxx.204
(DNSサーバーのプライベートIPアドレス:192.168.0.4)
LAN内のクライアントPCはNetGenesisのIPアドレス変換機能の「IPマスカレード変換(1対複数)」を使用する。
  IPマスカレード変換を行うグローバルIPアドレスは xxx.xxx.xxx.201 を使用する。
  クライアントPCのTCP/IP設定は「IPアドレス自動取得」とし、NetGenesisのDHCPサーバーから自動取得する。
 
 ・ NetGenesisのDHCPサーバーがIPアドレスを付与する際、「IPマスカレード変換されるプライベートIPアドレスを付与する」ように、「DHCPサーバー設定」を変更する。
 ⇒ 上記環境の場合、NetGenesis側に最低限必要な設定は以下の通りです。
   PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定
 
DHCPサーバー設定
  (LANポートIPアドレスは工場出荷値 192.168.0.1/24 とします。)

 (1)

PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定
  プロバイダから指定されたユーザー名とパスワードの設定、IPアドレス変換(NAT/IPマスカレード)の設定(※)、ネームサーバー(DNS)の設定を行います。
 
 ※ この設定により、グローバルIPアドレスの変換方法(NAT/IPマスカレード)が決まります。
 (2) DHCPサーバー設定
  クライアントPC(TCP/IP設定・IPアドレス自動取得)に対し、IPマスカレード(1対複数)変換されるプライベートIPアドレスを付与するように設定を変更します。
  DHCPサーバー設定が完了した後、「設定の更新」(再起動)を行います。
 ・・・ 「PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定」と「DHCPサーバー設定」の設定内容をNetGenesisに書き込み、再起動を行います。
 (補足1) LAN内のサーバー・クライアントPCのTCP/IP設定
  LAN内の各端末のTCP/IP設定を確認します。
 (補足2) LAN内のサーバーへの接続方法
  NAT変換(1対1)によって公開するサーバーへの接続方法について確認します。
 
(1) PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定
メモ) プロバイダから提供された設定資料を用意して下さい。

プロバイダから指定されたユーザー名とパスワードの設定、IPアドレス変換(NAT/IPマスカレード)の設定(※)、ネームサーバー(DNS)の設定を行います。
 ※ この設定により、グローバルIPアドレスの変換方法(NAT/IPマスカレード)が決まります。

 1)

WWWブラウザを起動し、アドレス入力欄(Internet Explorerの場合「アドレス」欄、Netscapeの場合「場所」欄)に、192.168.0.1を入力して、Enter(Return)キーを押して下さい。
 

 2)

ユーザー認証画面が表示されますので、「ユーザー名」admin(半角英小文字)と入力して「OK」ボタンをクリックして下さい。
(パスワードは空欄。)
 
   ヒント:設定画面にログオンできないときの確認

 3)

NetGenesisの設定(トップ)画面が開きます。
左のメニューの「WANポートの設定」の「動作モード設定」をクリックして下さい。
 

 4)

「動作モード選択」画面で「PPPoEクライアント」の中の「IPアドレス固定(1〜16個)」を選択して、「選択した動作モードの詳細設定へ」ボタンをクリックして下さい。
 

 5)

「PPPoEクライアント設定」
画面が開きます。
「ユーザー名」と「パスワード」「パスワード再入力」欄に、それぞれプロバイダから指定されたユーザー名(ログインID、接続IDなど)とパスワードを入力して下さい。
 
【 ユーザー名とパスワードを入力する際の注意 】
"ユーザー名@ドメイン名" の形式で入力して下さい。
  例)xxxxx@mrl.co.jp
半角大文字・小文字・数字を間違えないように注意して下さい。
 

 6)

「WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレス」欄に、プロバイダから指定されたグローバルIPアドレスの中で、IPマスカレード(1対複数)変換するIPアドレス xxx.xxx.xxx.201 を入力して下さい。
 
【 WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレスを入力する際の注意 】
グローバルIPアドレスの先頭(ネットワークアドレス・この例の場合 xxx.xxx.xxx.200)と
最後(ブロードキャストアドレス・この例の場合 xxx.xxx.xxx.207)を入力しないで下さい。
IPマスカレード変換が正しく行われなくなり、LAN内のクライアントPCからインターネット
接続ができなくなります。
 * グローバルIPアドレスのうち、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは
IPアドレス変換で使用できません。
 

 7)

「サブネット(変換IPアドレス数)」欄で 255.255.255.248(/29・8個) を選択し、「LAN側 変換後の先頭IPアドレス」欄に 192.168.0.0 を入力して下さい。
 

 8)

「変換用ネットワークとIP変換対応表を表示」ボタンをクリックして下さい。
「WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレス」「サブネット(変換IPアドレス数)」「LAN側 変換後の先頭IPアドレス」に設定した情報を元に、どのようにNAT/IPマスカレード変換されるか、一覧表が表示されます。
  以下の内容を確認して下さい。
 
  「変換用ネットワーク」欄の「WAN側 ネットワークアドレス」に、プロバイダから指定されたグローバルIPアドレス(ネットワークアドレス)が表示されていること。
  「IP変換対応表」欄の「WAN側 (グローバル)固定IPアドレス」と「アドレス変換方式」、「LAN側 プライベートIPアドレス」に問題が無いこと。
(サーバーのプライベートIPアドレスがNAT変換されること。)
 
  上記の「IP変換対応表」をもう少し詳しく説明すると、以下のようになります。
 
WAN側
固定IPアドレス
アドレス変換方式 LAN側
プライベートIPアドレス
備 考
xxx.xxx.xxx.200
(ネットワークアドレス)
IPアドレス変換
されません
192.168.0.0
LAN側 変換後の先頭IPアドレス
「xxx.xxx.xxx.200」はネットワークアドレスのため、IPアドレス変換されません。
(「IP変換対応表」に表示されません。)
「192.168.0.0」はネットワークアドレスのため、LAN側のパソコン等に設定できません。
xxx.xxx.xxx.201
WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレス
IPマスカレード変換
(1対複数)
***.***.***.***
(192.168.0.1)
IPマスカレード変換されるプライベートIPアドレスは「192.168.0.1、192.168.0.7〜192.168.0.254」となります。
LAN側のクライアントPC(複数台)がインターネットへアクセスする場合、「xxx.xxx.xxx.201」を使用します。
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.201」へアクセスされた場合、IPマスカレードによって破棄されます。
xxx.xxx.xxx.202 NAT変換
(1対1)
192.168.0.2
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.202」へアクセスされた場合、プライベートIPアドレス「192.168.0.2」へ変換されます。
  《192.168.0.2=WWWサーバー》
xxx.xxx.xxx.203 NAT変換
(1対1)
192.168.0.3
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.203」へアクセスされた場合、プライベートIPアドレス「192.168.0.3」へ変換されます。
  《192.168.0.3=メールサーバー》
xxx.xxx.xxx.204 NAT変換
(1対1)
192.168.0.4
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.204」へアクセスされた場合、プライベートIPアドレス「192.168.0.4」へ変換されます。
  《192.168.0.4=DNSサーバー》
xxx.xxx.xxx.205 NAT変換
(1対1)
192.168.0.5
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.205」へアクセスされた場合、プライベートIPアドレス「192.168.0.5」へ変換されます。
  《192.168.0.5=空き》
xxx.xxx.xxx.206 NAT変換
(1対1)
192.168.0.6
インターネット側から「xxx.xxx.xxx.206」へアクセスされた場合、プライベートIPアドレス「192.168.0.6」へ変換されます。
  《192.168.0.6=空き》
xxx.xxx.xxx.207
(ブロードキャストアドレス)
IPアドレス変換
されません
192.168.0.7
「xxx.xxx.xxx.207」はブロードキャストアドレスのため、IPアドレス変換されません。
(「IP変換対応表」に表示されません。)
対応するプライベートIPアドレス「192.168.0.7」は、「xxx.xxx.xxx.201」からIPマスカレード変換されます。
 
 参考: "WAN側 ネットワークアドレス" と "LAN側 変換後の先頭IPアドレス" について
(NAT/IPマスカレード変換のルール)

 9)

プロバイダから提供された設定資料に載っているネームサーバー(DNS)情報を、それぞれ「プライマリDNS」〜「フォースDNS」※1・※2・※3欄に入力して下さい。
 
 ※1: 「プライマリDNS」〜「フォースDNS」欄の全てを入力する必要はありません。
プロバイダから指定されたネームサーバー(DNS)情報のみを入力して下さい。
また、「プライマリDNS」〜「フォースDNS」欄を入力した場合、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」のチェックを外して下さい。
 
 ※2: プロバイダから提供された設定資料にネームサーバー(DNS)情報が記載されていない場合、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」にチェックを入れて下さい。
 
 ※3: ファームウェア Ver4.405.00 以降をお使いの方は、ここにLAN内に設置したDNSサーバーのIPアドレスを入力しないで下さい。
詳しくは こちら を参照して下さい。
 

 10)

以上で「PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定」は完了です。
画面下の「設定」ボタン(※)をクリックして下さい。
 
 
 ※ 「設定」ボタンをクリックしても画面は変わりません。
(画面の再読込が行われるのみです。)
(2)DHCPサーバー設定 へ進んで下さい。 このページの先頭へ戻る
 
(2) DHCPサーバー設定
クライアントPC(IPアドレス自動取得)に対し、IPマスカレード(1対複数)変換されるプライベートIPアドレスを付与するように設定を変更します。
DHCPサーバー設定が完了した後、「設定の更新」(再起動)を行います。
 ・・・ 「PPPoEクライアント・IPアドレス固定(1〜16個)設定」と「DHCPサーバー設定」の設定内容をNetGenesisに書き込み、再起動を行います。

 1)

左のメニューの「LANポートの設定」の「DHCPサーバー設定」をクリックして下さい。
 

2)

「先頭IPアドレス/サブネット」「付与IPアドレス数」(※)を変更して下さい。
 
設定項目\設定値 変更前 変更後
先頭IPアドレス/サブネット 192.168.0.2/24 192.168.0.7/24
付与IPアドレス数 253 10
 
 ※ 「付与IPアドレス数」は、LAN内のクライアントPC台数に応じて変更して下さい。
  この設定例の場合、クライアントPCに対し「192.168.0.7〜192.168.0.16」(10個)を付与します。
 

3)

「プライマリDNS」「セカンダリDNS」を変更して下さい。
 
設定項目\設定値 変更前 変更後
プライマリDNS 192.168.0.1 192.168.0.4
(LAN内のDNSサーバー)
セカンダリDNS (空欄) 192.168.0.1
 

4)

以上で「DHCPサーバー設定」は完了です。
画面下の「設定」ボタン(※)をクリックして下さい。
 
 
 ※ 「設定」ボタンをクリックしても画面は変わりません。
(画面の再読込が行われるのみです。)

5)

NetGenesis側に最低限必要な設定は以上で完了です。
  左のメニューの「設定の更新」(黄色文字)をクリックして下さい。
 

6)

「更新」ボタン→「再起動」ボタンの順番にクリックして下さい。
 

「NetGenesisの再起動が完了しました。」と表示されると、設定完了です。
WWWブラウザからインターネットへ接続できるか確認して下さい。
 ・ 弊社インターネットホームページへ接続した例
 
 ヒント:PPPoE接続できないときの確認(SYSLOG)
メモ) 設定完了後、クライアントPC(IPアドレス自動取得)を再起動して下さい。
クライアントPCを再起動することにより、IPマスカレード(1対複数)変換されるプライベートIPアドレスが(NetGenesisのDHCPサーバーから)付与されます。
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(補足1) LAN内のサーバー・クライアントPCのTCP/IP設定
この環境例の場合、LAN内のサーバー・クライアントPCのTCP/IP設定を以下のように設定します。
 
−LAN内のサーバーのTCP/IP設定−
用 途 IPアドレス サブネットマスク ゲートウェイ ネームサーバー
(DNS)
備 考
WWWサーバー 192.168.0.2 255.255.255.0

192.168.0.1
NetGenesisのLANポートIPアドレス

192.168.0.4 グローバルIPアドレス「xxx.xxx.xxx.202」からNAT変換(1対1)されます。
メールサーバー 192.168.0.3 255.255.255.0 192.168.0.4 グローバルIPアドレス「xxx.xxx.xxx.203」からNAT変換(1対1)されます。
DNSサーバー 192.168.0.4 255.255.255.0 192.168.0.4
192.168.0.1
グローバルIPアドレス「xxx.xxx.xxx.204」からNAT変換(1対1)されます。
 
−LAN内のクライアントPCのTCP/IP設定−
  IPアドレス サブネットマスク ゲートウェイ ネームサーバー
(DNS)
設定内容
《IPアドレス自動取得に設定します。》
各パソコンのTCP/IP設定を開き、以下を選択して下さい。
Windows Me/98/95
  →「IPアドレスを自動的に取得」
Windows XP/2000
 
「IPアドレスを自動的に取得する」
「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」
Mac OS X/Mac OS 9.2.2
  →「DHCPサーバーを参照」
NetGenesisのDHCPサーバーから自動取得する内容
192.168.0.7〜192.168.0.16
グローバルIPアドレス「xxx.xxx.xxx.201」からIPマスカレード変換(1対複数)されます。
255.255.255.0 192.168.0.1 192.168.0.4
192.168.0.1
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(補足2) LAN内のサーバーへの接続方法
NAT変換(1対1)によって公開する(LAN内の)サーバーへ接続する場合、以下のようにIPアドレスを指定して下さい。
 
《インターネット(WAN)側から接続する場合》
 → それぞれのサーバーのプライベートIPアドレスへNAT変換(1対1)されるグローバルIPアドレスを指定して下さい。
  以下、WWWサーバーへ接続する例です。


《(同一)LAN内から接続する場合》
 → サーバーのプライベートIPアドレスを指定して下さい。
  グローバルIPアドレスやドメイン名(※)を指定した場合、接続できません。
  以下、WWWサーバーへ接続する例です。


 
ドメイン名を取得している場合、NetGenesisの EasyDNS設定
行うことにより、擬似的にドメイン名での接続が可能になります。
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