15-1-2.タグベース優先度の設定
端末側から送信されるパケット中の "IEEE 802.1p QoSタグ" によって、通信の優先度(高・低)の判別を行うための設定について説明します。
本設定を行うことにより、外部公開用サーバーの通信を優先させることや、特定のパソコンの通信を優先させること等が可能となります。
 チェック!
端末側のLANカード(アダプタ)が "IEEE 802.1p QoSタグ" に対応している必要があります。
LANカード(アダプタ)側の "IEEE 802.1p QoSタグ" の設定方法等については、LANカード(アダプタ)のマニュアル等を参照して下さい。
QoS設定は「LAN→インターネット方向の通信(送信)」に対して効果があります。
  また、ADSL等「上りの通信速度が遅い回線」では、十分な効果が得られない場合があります。
  「インターネット→LAN方向の通信(受信)」に速度制限を設けたい場合、15-2.速度制限設定 を行って下さい。
  (QoS設定と速度制限設定を併用することにより、細かな設定が可能となります。)
   
−  タグベース優先度の設定と
「ルータ」ポートの優先度について
 −
タグベース優先度の設定では、「ルータ」ポートに優先度を設定(変更)することができません。
タグベース優先度のみを設定した場合(ポートベース優先度・未設定)、「ルータ」ポートは常に「優先度・低」になります。
   各ポートの位置関係と優先度
 
  各ポートの(NetGenesis内部の)位置関係は以下のようになっています。
 

  端末−
各ポートの位置関係(略図)
HUBポート
(L1〜L4)
ルータポート
(LANポート)
<ルータ処理> WANポート

−インターネット
 
  実際の優先度は「パケットの流れる方向」によって決まり方が異なります。
  "最初にパケットを受け取る(他のポートへ出力する)ポートの優先度" に決まります。
 
 《インターネット→LAN方向(受信) 「ルータ」ポートの優先度》
 《LAN→インターネット方向(送信) 「L1〜L4」ポートの優先度》
   「ルータ」ポートが「優先度・低」の場合の注意
 
   以下のような状況が発生する可能性がありますので、注意して下さい。

 
L1ポートに接続したパソコン1が(インターネットから)ダウンロードを行っているときに、L2ポートに接続したパソコン2から優先度・高のQoSタグ付きパケットが送信された場合、ダウンロードが遅くなる可能性がある。

  「ルータ」ポートを「優先度・高」にしたい場合、タグベース優先度の設定に加え 15-1-1.ポートベース優先度の設定 も行って下さい。
   

上記の「外部公開用サーバー(L1ポート)の通信を優先させる例」を元に、設定方法について説明します。
  1. メニューの「HUBポートの設定」の中の[QoS設定]をクリックして下さい。
    「QoS設定」画面が開きます。

     
  2. [QoS機能を使用する]にチェックを入れて下さい。

     
  3. [帯域保証]で[▼]をクリックし、優先度 "高:低" の通信比率を選択して下さい。

       常に優先 "優先度・高" の通信と "優先度・低" の通信が同時に発生した場合、"優先度・高" の通信が常に優先して処理されます。
          "優先度・低" の通信は、"優先度・高" の通信が行われていると処理されません。
       2:1
    (5:1/10:1)
    "優先度・高" の通信と "優先度・低" の通信が同時に発生した場合、"優先度・低" の通信が1回処理されるのに対し、"優先度・高"の通信は2回処理されます。
    (優先度は4以降で設定します。)

     
  4. [優先度有効ポート]を指定して下さい。

    チェックを入れたポートは、次項の「タグベース(IEEE 802.1p)優先度」によって "優先度・高" と "優先度・低" の判別処理が行われます。

    チェックを入れない場合、そのポートには優先度が適用されません。
    他の優先度付きポートからパケットが出力されてきても、優先度の処理は行いません。(※1)

       L1〜L4 HUBの各ポートです。
       ルータ NetGenesis内部のLANポートです。(※2)
          各ポートの(NetGenesis内部の)位置関係は以下のようになっています。
         

     端末−
    各ポートの位置関係(略図)
    HUBポート
    (L1〜L4)
    ルータポート
    (LANポート)
    <ルータ処理>
     
    WANポート
     

    −インターネット
          例えば、NetGenesisのLAN内(HUBポート側)からインターネット接続を行う場合、L1〜L4からルータポート(LANポート)を経由し、内部でルータ処理が行われた後にWANポートへ出力されます。

     
     ※1: QoS設定と速度制限設定の両方を行い、かつ[優先度有効ポート] にチェックを入れないポートについては、速度制限設定の "優先度・低" に設定した速度が上限となります。
      [優先度有効ポート]と速度制限設定の補足情報 を参照して下さい。
     ※2: 「タグベース優先度」では、「ルータ」ポートに優先度を設定(変更)することができません。
      (「タグベース優先度」のみを設定する場合、「ルータ」にチェックを入れても、常に "優先度・低" になります。)
      「ルータ」ポートを "優先度・高" にしたい場合、タグベース優先度の設定に加え 15-1-1.ポートベース優先度の設定 も行って下さい。
     
  5. [タグベース(IEEE 802.1p)優先度を設定する]にチェックを入れ、QoSタグによる優先度判別を有効にするポート(※)にチェックを入れて下さい。
     
     ※ チェックを入れたポートに接続された端末から「QoSタグが無いパケット」が送信された場合、以下のようになります。
      ・ポートベース優先度:設定あり
     →ポートベース優先度の設定に従います。
      ・ポートベース優先度:設定なし
     →"優先度・低" になります。
     
  6. QoSタグの[基準優先レベル]を入力して下さい。

    ここで入力した値と、端末側から送信されたパケット中のQoSタグを比較し、優先度が決まります。

    QoSタグの値 比較 優先度
    端末側から送信された
    QoSタグの値(優先レベル)
    NetGenesisのタグベース優先度に
    設定した基準優先レベル
    端末側から送信された
    QoSタグの値(優先レベル)
    NetGenesisのタグベース優先度に
    設定した基準優先レベル

     
     例) 「基準優先レベル」が "4" の場合(上記画面例のように設定した場合)、優先度は以下のようになります。
     
    L1に接続された端末から送信されたパケット中のQoSタグの値(優先レベル)が "0〜3" の場合
     →"優先度・低" になります。
     
    L1に接続された端末から送信されたパケット中のQoSタグの値(優先レベル)が "4〜7" の場合
     →"優先度・高" になります。
     
      各ポート毎に速度を設定したい方は 15-2.速度制限設定 を参照して下さい。
−  ポートベース優先度とタグベース優先度の
両方を設定した場合の優先度について
 −
ポートベース優先度とタグベース優先度の両方を設定した場合、以下のように優先度が決まります。
  端末側から送信されたパケットに "IEEE 802.1p QoSタグ" がある場合
  NetGenesis側の[基準優先レベル]とパケット中のQoSタグの値(優先レベル)によって優先度が決まります。
  詳細は こちら を参照して下さい。
  端末側から送信されたパケットに "IEEE 802.1p QoSタグ" がない場合
  NetGenesisのポートベース優先度に設定したL1〜L4ポートの優先度になります。

設定が完了した後、[設定]ボタンをクリックして下さい。
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  (NetGenesisの再起動中を行うと(NetGenesisの)HUBがリセットされ、一度リンクが切れます。)
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。

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