15-1-1.ポートベース優先度の設定
NetGenesisの各ポート(L1〜L4、ルータ)毎に、通信の優先度(高・低)を割り当てるための設定について説明します。
本設定を行うことにより、外部公開用サーバーの通信を優先させることや、特定のパソコンの通信を優先させること等が可能となります。
QoS設定は「LAN→インターネット方向の通信(送信)」に対して効果があります。
  また、ADSL等「上りの通信速度が遅い回線」では、十分な効果が得られない場合があります。
  「インターネット→LAN方向の通信(受信)」に速度制限を設けたい場合、15-2.速度制限設定 を行って下さい。
  (QoS設定と速度制限設定を併用することにより、細かな設定が可能となります。)

上記の「外部公開用サーバー(L1ポート)の通信を優先させる例」を元に、設定方法について説明します。
  1. メニューの「HUBポートの設定」の中の[QoS設定]をクリックして下さい。
    「QoS設定」画面が開きます。

     
  2. [QoS機能を使用する]にチェックを入れて下さい。

     
  3. [帯域保証]で[▼]をクリックし、優先度 "高:低" の通信比率を選択して下さい。

       常に優先 "優先度・高" のポートと "優先度・低" のポートの通信が同時に発生した場合、"優先度・高" のポートの通信が常に優先して処理されます。
          "優先度・低" のポートの通信は、"優先度・高" のポートの通信が行われていると処理されません。
       2:1
    (5:1/10:1)
    "優先度・高" のポートと "優先度・低" のポートの通信が同時に発生した場合、"優先度・低" のポートの通信が1回処理されるのに対し、"優先度・高"のポートの通信は2回処理されます。
    (優先度は4以降で設定します。)

     
  4. [優先度有効ポート]を指定して下さい。

    チェックを入れたポートは、次項の「ポートベース優先度」によって "優先度・高" と "優先度・低" のどちらで処理されるか決まります。

    チェックを入れない場合、そのポートには優先度が適用されません。
    他の優先度付きポートからパケットが出力されてきても、優先度の処理は行いません。(※)

       L1〜L4 HUBの各ポートです。
       ルータ NetGenesis内部のLANポートです。
          各ポートの(NetGenesis内部の)位置関係は以下のようになっています。
         

     端末−
    各ポートの位置関係(略図)
    HUBポート
    (L1〜L4)
    ルータポート
    (LANポート)
    <ルータ処理> WANポート

    −インターネット
          例えば、NetGenesisのLAN内(HUBポート側)からインターネット接続を行う場合、L1〜L4からルータポート(LANポート)を経由し、内部でルータ処理が行われた後にWANポートへ出力されます。

     
     ※ QoS設定と速度制限設定の両方を行い、かつ[優先度有効ポート] にチェックを入れないポートについては、速度制限設定の "優先度・低" に設定した速度が上限となります。
    [優先度有効ポート]と速度制限設定の補足情報 を参照して下さい。
     
  5. [ポートベース優先度を設定する]にチェックを入れ、各ポートの優先度を選択して下さい。

     * 実際の優先度は「パケットの流れる方向」によって決まり方が異なります。
      "最初にパケットを受け取る(他のポートへ出力する)ポートの優先度" に決まります。


       《 インターネット→LAN方向(受信) 》
      「ルータ」ポートの優先度になります。
      (「L1〜L4ポートの優先度は適用されません。)
     
     * インターネットから受信したパケットは、「ルータ」ポートが(「ルータ」ポートの優先度を付加し、優先度の処理を行って)「L1〜L4」ポートへ出力します。
      《 LAN→インターネット方向(送信) 》
      「L1〜L4」ポート(HUBポート)の優先度になります。
     
     * LAN側(パソコン等の端末)から送信されたパケットは、「L1〜L4」の中の1つのポートが(そのポートの優先度を付加し、優先度の処理を行って)「ルータ」ポートへ出力します。

     メ モ 
    速度制限設定(※)を行う場合、「受信速度の設定」の各ポートの優先度は上記の「ルータ」ポートの優先度になります。
    [優先度有効]についての補足情報 を参照して下さい。
     
     ※ 各ポート毎に速度を設定したい方は 15-2.速度制限設定 を参照して下さい。
−  QoS設定のと速度制限設定について
("帯域保証" と "速度設定")
 −
QoS設定と速度制限設定の両方を行った場合、遅い方が優先されます。
 * 以下の例の速度はあくまで「目安」(参考)程度としてお考え下さい。
 例) 約60Mbps程度の速度が出る環境において、QoS設定と速度制限設定を行う。
  −QoS設定−
  QoS機能を使用する:チェックあり
  帯域保証:2:1
  優先度有効ポート:L1〜L4、ルータ全てチェックあり
  ポートベース優先度を設定する:チェックあり
   優先度・高:L1、ルータ
   優先度・低:L2〜L4
 
  → 上記のQoS設定を行い、L1とL2から同時にインターネットへパケットを送信した場合、L1(優先度・高)は約30〜40Mbps、L2(優先度・低)は約10〜20Mbps程度となります。
 
  速度制限設定−
  速度制限機能を使用する:チェックあり
   《受信速度の設定》
  L1 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:20Mbps
  L2 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  L3 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  L4 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  ルータ 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:20Mbps
   《送信速度の設定》
  L1 優先度有効:チェックあり 優先度・高 ポーズ送信:チェックあり 速度有効:チェックあり 速度:20Mbps
  L2 優先度有効:チェックあり 優先度・低 ポーズ送信:チェックあり 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  L3 優先度有効:チェックあり 優先度・低 ポーズ送信:チェックあり 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  L4 優先度有効:チェックあり 優先度・低 ポーズ送信:チェックあり 速度有効:チェックあり 速度:5Mbps
  ルータ 優先度有効:チェックあり 優先度・高 速度有効:チェックあり 速度:20Mbps
 
  → QoS設定に加え、上記のように速度制限設定を行った場合、L1の上限速度は約20Mbps、L2〜L4の上限速度は約5Mbpsとなります。
   〔速度制限設定が優先=遅い方が優先〕
−  ポートベース優先度とタグベース優先度の
両方を設定した場合の優先度について
 −
ポートベース優先度とタグベース優先度の両方を設定した場合、以下のように優先度が決まります。
  端末側から送信されたパケット中に "IEEE 802.1p QoSタグ" がある場合
  パケット中のQoSタグの値(優先レベル)によって優先度が決まります。
 
QoSタグの値 比較 優先度
端末側から送信された
QoSタグの値(優先レベル)
NetGenesisのタグベース優先度に
設定した基準優先レベル
端末側から送信された
QoSタグの値(優先レベル)
NetGenesisのタグベース優先度に
設定した基準優先レベル
  端末側から送信されたパケット中に "IEEE 802.1p QoSタグ" がない場合
  NetGenesisのポートベース優先度に設定したL1〜L4ポートの優先度になります。

設定が完了した後、[設定]ボタンをクリックして下さい。
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  (NetGenesisの再起動中を行うと(NetGenesisの)HUBがリセットされ、一度リンクが切れます。)
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。

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