14-4.RIP設定

RIP設定について説明します。

RIPとは「通信経路の情報を伝送するルータ間プロトコル(通信規約)」のことをいいます。

NetGenesisと他のRIP対応機器との間でRIPを使用することにより、ルーティングの設定が自動的に行われるようになります。

はじめに
RIPの設定を行うためには、ネットワークに関する知識が必要です。
設定を行う場合は、ネットワーク全体の構成を明確化し、LAN管理者等と相談の上で設定して下さい。
 
 
 
以下の内容を参照して下さい。
 動作内容
 RIP1の設定
 RIP2の設定
 RIP1/RIP2共通設定
 
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動作内容

NetGenesisのRIPの動作内容について説明します。
 

  RIPを使用する場合・使用しない場合の違い
  RIPを使用する場合・使用しない場合の、ルーティング設定の違いについて説明します。
  NetGenesisと他のルータ間でRIPを使用することにより、ルーティングの設定が自動的に行われるようになります。
  以下の環境例を参考にして下さい。
 
   ※本社・支社のLANともにサブネット「/24(255.255.255.0)」の例です。
 
  RIPを使用しない場合の設定
  

本社LANのNetGenesisの設定
(ルーティングテーブルの設定・LANポート)

IPアドレス/サブネット 192.168.1.0/24
ゲートウェイ 192.168.0.200
メトリック 1
  上記のNetGenesisの設定に加え、本社LAN・支社LANのそれぞれのルータにルーティングの設定が必要です。
  本社LANのインターネット1(Bフレッツ)において、何らかの回線障害(メンテナンス等)によってPPPoE接続ができない場合、インターネット1が復旧されるまで不通となります。
  (ルーティングの設定が固定で、かつ支社LANへルーティング情報のみのため。)
 
  RIPを使用する場合の設定
  本社LANのNetGenesisとルータ、支社LANのルータ(2台)でRIP(※1)を使用する場合、ルーティングの設定はRIPによって自動的に行われるため不要です。
 
 ※1: RIPの具体的な設定内容については、ここでは省略します。
  本社LANのインターネット1において、何らかの回線障害(メンテナンス等)によってPPPoE接続ができない場合、本社LANのルータ(IPアドレス:192.168.0.200)を経由して、支社LANのインターネット2へ接続するようになります。(※2)
 
 ※2: RIPによって、支社LANのインターネット2への通信経路情報が、本社のNetGenesisへ知らされているため。
  インターネット1へのPPPoE接続が完了した時点で、本社LANはインターネット1へ接続するようになります。
 
 チェック!
上記のようにWAN側で回線障害等が発生した際に、LANポートへデフォルトゲートウェイが切り替わる動作モードは「DHCPクライアント」、「PPPoEクライアント」、「ローカルルータ」の3種類です。
その他の動作モードの場合、WAN側で回線障害等が発生しても、LANポートへデフォルトゲートウェイが切り替わることはありません。

  RIP1とRIP2の違い
  RIP1とRIP2の違いについて説明します。
  RIP2はRIP1の上位互換で、RIP1に対して以下の機能が追加されています。
 
  サブネットマスク情報の広告
  RIP1の場合、サブネットマスク情報を広告しませんので、サブネットマスクによって分けられたネットワークについては、正しくルーティングの制御を行うことができません。
 (サブネットマスク情報を受け付けることもできません。)
  【 RIP1 】

ネットワーク1

RIP1の場合、ネットワーク1とネットワーク2を同一ネットワークとして認識してしまう。
正しくルーティングの制御を行うことができない。
 ・ サブネットマスク情報を広告しないため。
IPアドレス:192.168.0.0
サブネット:/25(255.255.255.128)

ネットワーク2

IPアドレス:192.168.0.128
サブネット:/25(255.255.255.128)
  これに対し、RIP2はサブネットマスク情報を広告する・受け付けることが可能なため、サブネットマスクによって分けられたネットワークにおいても、正しくルーティングの制御を行うことができます。
  【 RIP2 】

ネットワーク1

RIP2の場合、ネットワーク1とネットワーク2を
別ネットワークとして認識可能。
正しくルーティングの制御を行うことが可能。
 ・ サブネットマスク情報を広告するため。
IPアドレス:192.168.0.0
サブネット:/25(255.255.255.128)

ネットワーク2

IPアドレス:192.168.0.128
サブネット:/25(255.255.255.128)
 
  RIPルータ間の認証機能
  RIP2では、RIP2ルータ間でパスワードによる認証を行うことが可能です。
  認証機能を使用した場合、同一パスワードのRIP2ルータからのRIP広告のみを受け付けます。
  RIP1ルータ、及び異なるパスワード、または認証なしのRIP2ルータからのRIP広告は受け付けません。

  RIPの制限とWAN側へのRIP広告動作
  RIPの制限とWANポート側へのRIP広告動作について説明します。
 
  RIPの制限
  RIP広告が届くルータのホップ数(段数、ネットワークの数)は15段(メトリック15)までです。
  16段目以降にはRIP広告は届きません。
ネットワーク1 0段目(メトリック0)
IPアドレス:192.168.0.0
サブネット:/24(255.255.255.0)
ネットワーク2 1段目(メトリック1)
IPアドレス:192.168.1.0
サブネット:/24(255.255.255.0)
ネットワーク3 2段目(メトリック2)
IPアドレス:192.168.2.0
サブネット:/24(255.255.255.0)
ネットワーク4 3段目(メトリック3)
IPアドレス:192.168.3.0
サブネット:/24(255.255.255.0)




 
ネットワーク16 15段目(メトリック15)

RIP広告が届くのはここまで
IPアドレス:192.168.15.0
サブネット:/24(255.255.255.0)
ネットワーク17 以降、RIP広告は届きません
IPアドレス:192.168.16.0
サブネット:/24(255.255.255.0)
 
  WAN側へのRIP広告動作について
  動作モードによって、WAN側へのRIP広告動作は異なります。
  WAN側へのRIP広告動作が有効となる動作モードは「ローカルルータ」のみです。
  (他の動作モードの場合、動作保証外となります。)

 
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RIP1の設定

RIP1の設定について説明します。
 
 チェック!
RIP1ではサブネット情報を広告しません。(受け付けることもできません。)
よって、サブネットによって分けられたネットワークについては、正しくルーティングの制御を行うことができませんので、注意して下さい

以下の手順で設定を行って下さい。
  1. 設定画面のメニューの「ルーティングの設定」の中の、[RIP設定]をクリックして下さい。



  2. [RIP機能を使用する]にチェックを入れ、[RIP1を使用する]を選択して下さい。



  3. RIP1のルーティングの決定方法(RIP1 詳細設定)を選択します。


    既存の環境に合わせ、以下の4つの中から1つ選択して下さい。


     
      受け取ったRIP広告情報の基本ネットワークマスク(クラスA/B/C)のみでルーティングを決定する
      受け取ったRIP広告情報内のIPアドレス(宛先アドレスまたはホストアドレス)を決定する際に、以下の処理を行います。
      (この処理により、NetGenesisに登録されるルーティングテーブル、及びNetGenesisが送るRIP1広告情報が決定されます。)
     
     
      受け取ったRIP広告情報の基本ネットワークマスク(クラスA/B/C)を優先してルーティングを決定する
      受け取ったRIP広告情報内のIPアドレス(宛先アドレスまたはホストアドレス)を決定する際に、以下の処理を行います。
      (この処理により、NetGenesisに登録されるルーティングテーブル、及びNetGenesisが送るRIP1広告情報が決定されます。)
     
     
      RIP広告情報を受け取ったインタフェース(WANポートまたはLANポート)のサブネットマスクのみでルーティングを決定する
      受け取ったRIP広告情報内のIPアドレス(宛先アドレスまたはホストアドレス)を決定する際に、以下の処理を行います。
      (この処理により、NetGenesisに登録されるルーティングテーブル、及びNetGenesisが送るRIP1広告情報が決定されます。)
     
     
      RIP広告情報を受け取ったインタフェース(WANポートまたはLANポート)のサブネットマスクを優先してルーティングを決定する
      受け取ったRIP広告情報内のIPアドレス(宛先アドレスまたはホストアドレス)を決定する際に、以下の処理を行います。
      (この処理により、NetGenesisに登録されるルーティングテーブル、及びNetGenesisが送るRIP1広告情報が決定されます。)
     
     
  4. RIP信用ルータの設定を行う場合は RIP1/RIP2共通設定 へ進んで下さい。


    RIP信用ルータの設定を行わない場合、設定は完了です。


    [設定]ボタンをクリックして下さい。


以上でRIP1の設定は完了です。
 
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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RIP2の設定

RIP2の設定について説明します。

以下の手順で設定を行って下さい。
  1. 設定画面のメニューの「ルーティングの設定」の中の、[RIP設定]をクリックして下さい。



  2. [RIP機能を使用する]にチェックを入れ、[RIP2を使用する]を選択して下さい。


     
  3. RIP2の場合、RIP2ルータ間でパスワードによる認証を行うことにより、一部のRIP2ルータとのみ、RIP広告をやりとりすることができます。


    パスワードを設定する場合は、[RIP2 詳細設定]の中の[認証機能を使用する]にチェックを入れ、[パスワード]、及び[パスワード再入力]欄にパスワードを半角英数字で入力して下さい。

    (最大16文字まで入力可能。)


     
     チェック!
    他のルータに設定されているパスワードと同じパスワードを入力して下さい。
    パスワードを間違えた場合、パスワードが設定されているルータからのRIP広告を受け付けなくなりますので、注意して下さい。
    パスワードを設定した場合、RIP1ルータ、及び、異なるパスワード、または認証なしのRIP2ルータからのRIP広告を、受け付けなくなりますので注意して下さい。
     
    備 考
      [パスワード]及び[パスワード再入力]欄の表示について
      一度本画面を閉じた後に再度開くと、[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は、実際に入力したパスワードの文字数に関係なく「・」もしくは「*」が表示されます。
     
  4. RIP信用ルータの設定を行う場合は RIP1/RIP2共通設定 へ進んで下さい。


    RIP信用ルータの設定を行わない場合、設定は完了です。


    [設定]ボタンをクリックして下さい。


以上でRIP2設定は完了です。
 
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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RIP1/RIP2共通設定

RIP1/RIP2共通設定について説明します。

RIP1/RIP2共通設定には、以下の2つの設定項目があります。
 回線切断時の設定
 RIP信用ルータの設定
 

  回線切断時の設定
 
回線切断時の設定について説明します。
 
WANポートの動作モードが「PPPoEクライアント」使用時、回線切断が発生した際に、LAN側へRIPで広告するか否かを選択します。
 
  LAN側へRIPで広告する
  回線が切断されても、LAN側へRIPで広告し続けます。
 
 * このときにLAN側へRIPで広告する内容は、PPPoEポートのスタティックルーティング情報です。
 
  LAN側へRIPで広告しない
  回線が切断されても、LAN側へRIPで広告しません。
 
 

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  RIP信用ルータの設定
 
RIP信用ルータの設定について説明します。
 
   
 メ モ 
登録可能なRIP信用ルータ数は最大8個です。
 
ここで登録したルータからのRIP広告(更新)情報を、NetGenesisが受け入れるか・受け入れないかを設定します。
 
以下の手順で設定を行って下さい。

 
  1. [RIP信用ルータを設定する]にチェックを入れて下さい。


     
  2. [登録したルータからの更新情報を受け入れる]か、[登録したルータの更新情報を受け入れない]のどちらかを選択して下さい。


     
  3. 登録リスト [ルータIPアドレス]欄右下の[編集]ボタンをクリックして下さい。


    「RIP信用ルータ リスト追加・編集」画面が表示されます。


     
  4. [ルータIPアドレス]欄に、登録するRIP信用ルータのIPアドレスを入力して下さい。


     
  5. [追加]ボタンをクリックして下さい。


    入力した[ルータIPアドレス]が登録リストに追加されます。


     
     チェック!
    登録リストの順番が、そのまま処理の「優先順位」になります。
    「追加したエントリが最後尾にある=一番最後に処理される」ということになりますので、必要に応じて追加したエントリを移動して下さい。
  以上でRIP信用ルータ(1エントリ)の登録は完了です。
 
 
  エントリ右横のボタンについて
  既存のエントリを編集(修正)、移動する際に使用します。
 
  操作方法については 登録リストを有する画面に表示されるボタン (3-3.設定画面内のボタンの意味) を参照して下さい。
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RIP1/RIP2共通設定が完了しましたら、[設定]ボタンをクリックして下さい。


 
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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