LAN内にプライベートIPアドレスを指定する例

LAN内のパソコンにIPアドレスを指定(固定)する例について説明します。

LAN内に以下のような用途で使用するパソコンがある場合、そのパソコンにはIPアドレスを指定(固定)する必要があります。
 例1) WWWサーバーやFTPサーバーを運用するパソコン。
 例2) ネットワークゲームを行うパソコン。

仮に、上記の用途のパソコンのTCP/IP設定を、NetGenesisのDHCPサーバーから自動取得するようにした場合、LAN内のパソコンの起動順番によってIPアドレスが変わってしまい、以下のような問題が発生する可能性があります。
 
  プロバイダからIPアドレスを自動取得する、あるいは固定IPアドレスを1個取得している場合
  〔IPマスカレードによるIPアドレス変換使用時〕
 
 → 「IPマスカレードテーブル機能」(※1)や「DMZホスト機能」(※2)の転送先IPアドレスのパソコンが変わってしまう。
 
  プロバイダから複数の固定グローバルIPアドレスを取得している場合
  NAT/IPマスカレードによるIPアドレス変換使用時〕
 
 →   NAT変換(※3)対象のLAN内のパソコンが変わってしまう。
    「IPマスカレードテーブル機能」(※1)や「DMZホスト機能」(※2)の転送先IPアドレスのパソコンが変わってしまう。
 
 
 ※1: 「IPマスカレードテーブル機能」は、インターネット側から発信されたIPフレーム(TCP/IPプロトコルのデータ)を、プロトコル・ポート番号に応じてLAN内の特定のパソコン(特定のIPアドレス)へ転送する機能です。
 ※2: 「DMZホスト機能」は、インターネット側から発信された全てのIPフレーム(TCP/IPプロトコルのデータ)を、LAN内の特定のパソコン(特定のIPアドレス)へ転送する機能です。
詳細は 10.サーバー公開を行う −IPアドレス変換有効時− を参照して下さい。
  (設定を行う前に、まずは各パソコンのTCP/IP設定を済ませて下さい。)
 
 
 ※3: プロバイダから複数の固定グローバルIPアドレスを取得している場合、LAN内の特定のIPアドレスと固定グローバルIPアドレスの一部をNAT変換(1対1)することが可能です。
詳細は以下をを参照して下さい。
 
  Bフレッツやフレッツ・ADSL等、PPPoEによるユーザー認証が必要なプロバイダへ接続する場合
     6-1-2.PPPoE セッション1 IPアドレス固定(1〜16個)設定(6.Bフレッツやフレッツ・ADSLで固定IPアドレスを使う)を参照して下さい。
 
  PPPoEによるユーザー認証が不要なプロバイダへ接続する場合
     8-1-2.IPアドレス固定・ IPアドレス固定(1〜16個)設定(8.プロバイダから取得した固定IPアドレスを使う)を参照して下さい。
  (設定を行う前に、まずは各パソコンのTCP/IP設定を済ませて下さい。)

以下、それぞれ使用環境に応じて参照して下さい。
    プロバイダからIPアドレスを自動取得(1個)する例
  プロバイダから複数の固定グローバルIPアドレスを取得し、複数固定IPアドレス変換を使用する例
 
2-9.ネットワーク構成例 へ戻る
2.パソコンの設定 へ戻る

プロバイダからIPアドレスを自動取得(1個)する例

以下の環境・設定を例に説明します。
  フレッツ・ADSL接続(PPPoEクライアント機能)を行い、IPアドレスを自動取得(1個)する。
〔PPPoE セッション1を使用〕
  NetGenesisのDHCPサーバーを利用する。
  NetGenesisにIPマスカレードテーブルを設定する。
(WWWサーバーをインターネットへ公開する。)
  WWWサーバーを運用するパソコンのIPアドレスを指定(固定)し、他のパソコンはNetGenesisのDHCPサーバーからIPアドレスを自動取得する。

NetGenesisのDHCPサーバーは、工場出荷値で最大253台(IPアドレス「192.168.0.2〜192.168.0.254」)のパソコン等へTCP/IP設定を行います。

この場合、以下のように設定します。
 
   DHCPサーバーが付与するIPアドレスの個数を、LAN内のパソコン台数等に応じて減らす。
   WWWサーバーを運用するパソコンのIPアドレスを、NetGenesisのDHCPサーバーが付与する範囲外に設定する。
 
 
  NetGenesisの設定
  

設定内容

LANポートIPアドレス
192.168.0.1/24(工場出荷値・変更する必要無し)
 ※「/24」は「255.255.255.0」に該当します。
DHCPサーバー
使用する。
 付与IPアドレス数:10  LAN内のパソコン台数等に応じて、工場出荷値の253から減らす。

詳しくは 12-1.DHCPサーバー設定 を参照して下さい。
 ※1: DHCPサーバーの工場出荷値については こちら を参照して下さい。
 ※2: IPアドレスを指定するパソコンと、IPアドレスを自動取得するパソコンを混在させる際の注意については こちら を参照して下さい。
  (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
WANポート
動作モード: PPPoE セッション1 IPアドレス自動取得
 [IPマスカレード変換有効]
詳しくは 4-3.PPPoE セッション1 IPアドレス自動取得設定 を参照して下さい。

  パソコン1〜2のTCP/IP設定
   

設定内容

IPアドレス
Windows 98/Me
 → 「IPアドレスを自動的に取得」
Windows 2000/XP/Vista/7
 → 「IPアドレスを自動的に取得する」
「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」
Mac OS
 → 「DHCPサーバーを参照」、「DHCPサーバーを使用」

  NetGenesisのDHCPサーバーから自動取得する内容
 ・IPアドレス 192.168.0.2〜192.168.0.11の中の1つ。
 ・サブネットマスク 255.255.255.0
 ・ゲートウェイ 192.168.0.1
 ・DNSサーバー 192.168.0.1
サブネットマスク
ゲートウェイ
(デフォルトゲートウェイ)
(ルータアドレス)
DNSサーバー
(ネームサーバー)
 
  Windows XP のTCP/IP設定画面例
 
  Mac OS X のTCP/IP設定画面例

  パソコン3(WWWサーバー)のTCP/IP設定
   

設定内容

IPアドレス
192.168.0.100
(NetGenesisのDHCPサーバーが付与する範囲外)
サブネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ
(デフォルトゲートウェイ)
(ルータアドレス)
192.168.0.1
(NetGenesisのLANポートIPアドレス)
DNSサーバー
(ネームサーバー)
192.168.0.1
(NetGenesisのLANポートIPアドレス)
 
  Windows 2000 ServerのTCP/IP設定画面例

  NetGenesisの設定を行うにあたって
  NetGenesisの設定は、NetGenesis内部のフラッシュROMに書き込まれます。
  よって、LAN内の各パソコンでNetGenesisの設定を行う必要はありません。
  LAN内の1台のパソコンからNetGenesisの設定を1度だけ行えば、各パソコンで共用することができます。
   イメージ図
  LAN内の各パソコンで必須となるのは、TCP/IP設定とWWWブラウザやメールソフトウェア等の設定です。
 
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プロバイダから複数の固定グローバルIPアドレスを取得し、複数固定IPアドレス変換を使用する例

以下の環境・設定を例に説明します。
  Bフレッツ接続(PPPoEクライアント機能)で、プロバイダから固定グローバルIPアドレスを8個取得している。
(固定グローバルIPアドレスは「xxx.xxx.xxx.104〜xxx.xxx.xxx.111」を例とします。)
  NetGenesisのDHCPサーバーを利用する。
  NetGenesisの複数固定IPアドレス変換(NAT/IPマスカレード)機能を使用し、かつNAT変換を使用してWWWサーバーをインターネットへ公開する。
  WWWサーバーを運用するパソコンのIPアドレスを指定(固定)し、他のパソコンはNetGenesisのDHCPサーバーからIPアドレスを自動取得する。
(Windows 2000 ServerをWWWサーバーとします。)

NetGenesisのDHCPサーバーは、工場出荷値で最大253台(IPアドレス「192.168.0.2〜192.168.0.254」)のパソコン等へTCP/IP設定を行います。

この場合、以下のように設定します。
 
   DHCPサーバーが付与するIPアドレスの個数を、LAN内のパソコン台数等に応じて減らす。
   WWWサーバーを運用するパソコンのIPアドレスを、NetGenesisのDHCPサーバーが付与する範囲外で、かつNAT変換対象となるように設定する。
 
 
  NetGenesisの設定
  

設定内容

LANポートIPアドレス
192.168.0.1/24(工場出荷値・変更する必要無し)
 ※「/24」は「255.255.255.0」に該当します。
DHCPサーバー
使用する。
 付与IPアドレス数:25  LAN内のパソコン台数等に応じて、工場出荷値の253から減らす。

詳しくは 12-1.DHCPサーバー設定 を参照して下さい。
 ※1: DHCPサーバーの工場出荷値については こちら を参照して下さい。
 ※2: IPアドレスを指定するパソコンと、IPアドレスを自動取得するパソコンを混在させる際の注意については こちら を参照して下さい。
  (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
WANポート
動作モード: PPPoE セッション1 IPアドレス固定(1〜16個)
 [IPマスカレード変換有効]
・WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレス:xxx.xxx.xxx.110
・サブネットマスク(変換IPアドレス数):255.255.255.248(/29・8個)
・LAN側 変換後の先頭IPアドレス:192.168.0.104
固定グローバル
IPアドレス
IPアドレス
変換方式
プライベート
IPアドレス
xxx.xxx.xxx.104・・・※1
(ネットワークアドレス)
IPアドレス変換
されません
192.168.0.104)・・・※2
xxx.xxx.xxx.105 NAT(1対1) 192.168.0.105
xxx.xxx.xxx.106 NAT(1対1) 192.168.0.106
xxx.xxx.xxx.107 NAT(1対1) 192.168.0.107
xxx.xxx.xxx.108 NAT(1対1) 192.168.0.108
xxx.xxx.xxx.109 NAT(1対1) 192.168.0.109
xxx.xxx.xxx.110 IPマスカレード
(1対複数)
192.168.0.110
 / 192.168.0.1〜104
 / 192.168.0.111〜254
xxx.xxx.xxx.111・・・※1
(ブロードキャストアドレス)
IPアドレス変換
されません
(192.168.0.111)・・・※2
※1: 固定グローバルIPアドレスの先頭(ネットワークアドレス)と最後(ブロードキャストアドレス)は、IPアドレス変換の対象外となります。
※2: プライベートIPアドレス「192.168.0.104」「192.168.0.111」は、固定IPアドレス「xxx.xxx.xxx.110」(WAN側 IPマスカレード変換用IPアドレス)にIPマスカレード変換されます。
  なお、「LAN側 変換後の先頭IPアドレス」設定欄の最後の数値(この例の場合、「192.168.0.104」)は、変換IPアドレス数の倍数でなければなりません。
詳しくは 6-1-2.PPPoE セッション1 IPアドレス固定(1〜16個)設定 を参照して下さい。

  パソコン1〜20のTCP/IP設定
   

設定内容

IPアドレス
Windows 98/Me
 → 「IPアドレスを自動的に取得」
Windows 2000/XP/Vista
 → 「IPアドレスを自動的に取得する」
「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」
Mac OS
 → 「DHCPサーバーを参照」

  NetGenesisのDHCPサーバーから自動取得する内容
 ・IPアドレス 192.168.0.2〜192.168.0.26の中の1つ。
 ・サブネットマスク 255.255.255.0
 ・ゲートウェイ 192.168.0.1
 ・DNSサーバー 192.168.0.1
サブネットマスク
ゲートウェイ
(デフォルトゲートウェイ)
(ルータアドレス)
DNSサーバー
(ネームサーバー)
 
  Windows XP のTCP/IP設定画面例
 
  Mac OS X のTCP/IP設定画面例

  パソコン30(WWWサーバー)のTCP/IP設定
   

設定内容

IPアドレス
192.168.0.105
(NetGenesisのDHCPサーバーが付与する範囲外)
サブネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ
(デフォルトゲートウェイ)
(ルータアドレス)
192.168.0.1
(NetGenesisのLANポートIPアドレス)
DNSサーバー
(ネームサーバー)
192.168.0.1
(NetGenesisのLANポートIPアドレス)
 
  Windows 2000 ServerのTCP/IP設定画面例

  NetGenesisの設定を行うにあたって
  NetGenesisの設定は、NetGenesis内部のフラッシュROMに書き込まれます。
  よって、LAN内の各パソコンでNetGenesisの設定を行う必要はありません。
  LAN内の1台のパソコンからNetGenesisの設定を1度だけ行えば、各パソコンで共用することができます。
   イメージ図
  LAN内の各パソコンで必須となるのは、TCP/IP設定とWWWブラウザやメールソフトウェア等の設定です。
 
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