16-2.優先ルーティング設定

優先ルーティング設定について説明します。(説明内容は 13-3.優先ルーティング設定 と同じです。)

音声通信や動画配信等、特定の通信を優先的にルーティングさせたい場合、本設定を行います。

設定画面のメニューの「ルーティングの設定」の中の、[優先ルーティング設定]をクリックして下さい。

「優先ルーティング設定」画面が開きます。



優先ルーティング設定を行う際の注意
  特定の通信を優先する設定を行うためには、以下の情報が必要となる場合があります。
 
使用するプロトコル TCPプロトコルかUDPプロトコルか等
ポート番号 プロトコルの使用するポート番号xxxx等
  詳しくは、使用するアプリケーション等のマニュアルを参照して下さい。

  各ポートに登録可能なテーブル情報数は最大8個です。
  (WAN/PPPoEポート優先ルーティング設定・8個、LANポート優先ルーティング設定・8個)


以下の手順で設定を行って下さい。
  1. 「優先ルーティング機能を使用する」にチェックを入れて下さい。



    設定箇所は優先度を設定する通信の方向によって異なります。
    WAN/PPPoEポート WAN/PPPoEポート→LANポート方向の通信の優先度を設定します。
    LANポート LANポート→WAN/PPPoEポート方向の通信の優先度を設定します。

  2. 登録するIPフレーム以外のIPフレームの優先度を選択して下さい。


    (以降、LAN ポートに登録する例です。)




  3. 登録リストの[編集]ボタンをクリックして下さい。


    「LANポート 優先ルーティング リスト追加・編集」画面が表示されます。



  4. [優先度]を選択して下さい。




     チェック!
    手順2で設定した優先度(登録されていないIPフレームの優先度)と同じ優先度を選択すると、優先対象となりませんので注意して下さい。

  5. [MACアドレス]の行の設定を行います。


     
      送信元 MACアドレス
      送信元機器のMACアドレス(物理アドレス)を指定します。
    MACアドレスは「:」区切りで入力して下さい。

      送信先 MACアドレス
      送信先機器のMACアドレスを指定します。
    MACアドレスは「:」区切りで入力して下さい。

      【MACアドレスの送信元と送信先の設定について 】
     Case1)[送信元]と[送信先]の両方を設定した場合
      → [送信元]で指定したMACアドレスから発信され、[送信先]で指定したMACアドレス宛てに送られるIPフレームを対象とします。
     Case2)[送信元]のみを設定した場合
      → [送信元]で指定したMACアドレスから発信された、全てのIPフレームを対象とします。
     Case3)[送信先]のみを設定した場合
      → [送信先]で指定したMACアドレスに送られる、全てのIPフレームを対象とします。
     Case4)[送信元]と[送信先]の両方とも設定しない場合
      → MACアドレスによる特定はしません。

      MACアドレスマスク
      対象とするMACアドレスの範囲を指定します。
    MACアドレスマスクは「:」区切りで入力して下さい。
      【 参考例 】
    MACアドレスとMACアドレスマスク 対象となるMACアドレス
    例1
    MACアドレス: 00:10:38:00:00:01
    MACアドレスマスク: FF:FF:FF:FF:FF:FF

    "00:10:38:00:00:01"のみが対象

    例2
    MACアドレス: 00:10:38:00:00:01
    MACアドレスマスク: FF:FF:FF:00:00:00

    "00:10:38:00:00:00" 〜 "00:10:38:FF:FF:FF"
    が対象(ベンダーコードのみで対象を特定する。) 


      ANDOR
    送信元送信先の両方を設定した場合に選択して下さい。
    AND [送信元]と[送信先]の両方の条件が合致した場合のみを対象とします。
    OR [送信元]と[送信先]のどちらか片方の条件が合致した場合を対象とします。

      フレームタイプ
      フレームタイプを指定する場合は、16進表記で入力して下さい。
      【 参考情報:フレームタイプと16進表記 】
    フレームタイプ 16進表記
    IPv4 0800
    IPv6 86DD

  6. [IPアドレス/サブネット]の行の設定を行います。


     
      送信元 IPアドレス/サブネット
      送信元のIPアドレスやネットワークアドレスを指定します。
      入力欄に「IPアドレス/サブネットマスクのビット数」を入力して下さい。
    サブネットマスクのビット数を入力しない場合は、ユニキャストIPアドレス(/32)となります。

      送信先 IPアドレス/サブネット
      送信先のIPアドレスやネットワークアドレスを指定します。
      送信元 IPアドレス/サブネットと同じ要領で入力して下さい。
     
     * サブネットマスクのビット数については、付録・IPアドレス範囲(IPアドレス/サブネット) 早見表 を参考にして下さい。
      (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
      【 IPアドレス/サブネットの送信元と送信先の設定について 】
     Case1)[送信元]と[送信先]の両方を設定した場合
      → [送信元]で指定したIPアドレスから発信され、[送信先]で指定した相手に送られるIPフレームを対象とします。
     Case2)[送信元]のみを設定した場合
      → [送信元]で指定したIPアドレスから発信された、全てのIPフレームを対象とします。
     Case3)[送信先]のみを設定した場合
      → [送信先]で指定したIPアドレスに送られる、全てのIPフレームを対象とします。
     Case4)[送信元]と[送信先]の両方とも設定しない場合
      → IPアドレスによる特定はしません。

      ANDOR
    送信元送信先の両方を設定した場合に選択して下さい。
    AND [送信元]と[送信先]の両方の条件が合致した場合のみを対象とします。
    OR [送信元]と[送信先]のどちらか片方の条件が合致した場合を対象とします。
      【 参考例 】
    対象とするアドレス   IPアドレス/サブネットの設定 
    例1  以下のネットワークを対象とする 
      ・ネットワークアドレス:192.168.0.0
      ・サブネット:/24(255.255.255.0)
    192.168.0.0/24
    例2  以下のネットワークを対象とする 
      ・ネットワークアドレス:192.168.0.128
      ・サブネット:/25(255.255.255.128)
    192.168.0.128/25
    例3  IPアドレス:192.168.0.88 を対象とする 192.168.0.88
    もしくは
    192.168.0.88/32
    例4  以下のIPアドレス範囲をを対象とする
      ・IPアドレス:192.168.0.80〜95
    192.168.0.80/28
     
     
     *
     
    上記以外のサブネット値については、付録・IPアドレス範囲(IPアドレス/サブネット) 早見表 を参考にして下さい。
      (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
     
    WANポート優先ルーティング設定時の注意
    〜IPアドレス変換時のIPアドレス/サブネット設定について〜
    IPアドレス変換(IPマスカレード変換やNAT変換)環境の場合、WAN/PPPoEポート優先ルーティング設定のIPアドレス/サブネット欄にLAN側のローカルIPアドレスを設定しても、優先ルーティングの対象となりませんので注意して下さい。

    NetGenesisの優先ルーティング機能は、IPアドレス変換前に処理されます。


    例えば、上記環境において、WANポート優先ルーティング設定に以下の設定を行っても優先ルーティングの対象となりませんので注意して下さい。
     

     
    優先ルーティングはIPアドレス変換前に処理されますので、192.168.0.2宛のパケットは優先ルーティングの対象にはなりません。


  7. [ポート番号]の行の設定を行います。


     
      送信元 ポート番号
    送信元のプロトコルやサービスのポート番号を指定します。
    入力欄にポート番号を入力して下さい。

      送信先 ポート番号
    送信先のプロトコルやサービスのポート番号を指定します。
    入力欄にポート番号を入力して下さい。
     ※ [送信元]及び[送信先]入力欄は、ポート番号とポート番号の間に「/」を入れることで、範囲を指定することができます。
      例 : 「20/23」 = 20(ftp-data)から 23(telnet)まで。
      【 ポート番号の送信元と送信先の設定について 】
     Case1)[送信元]と[送信先]の両方を設定した場合
      → [送信元]で指定したポート番号から発信され、[送信先]で指定したポート番号へ送られるIPフレームを対象とします。
     Case2)[送信元]のみを設定した場合
      → [送信元]で指定したポート番号から発信された、全てのIPフレームを対象とします。
     Case3)[送信先]のみを設定した場合
      → [送信先]で指定したポート番号に送られる、全てのIPフレームを対象とします。
     Case4)[送信元]と[送信先]の両方とも設定しない場合
      → ポート番号による特定はしません。

      ANDOR
    送信元送信先の両方を設定した場合に選択して下さい。
    AND [送信元]と[送信先]の両方の条件が合致した場合のみを対象とします。
    OR [送信元]と[送信先]のどちらか片方の条件が合致した場合を対象とします。

    ウェルノウンポート一覧について
    ウェルノウンポートについてはプロトコル名またはサービス名での入力も可能です。
    (NetGenesisの設定画面と別のウィンドウが開きます。「ウェルノウンポート一覧」画面からコピーが可能です。)

  8. [プロトコル]の行の設定を行います。


     
      プロトコル
    対象とするプロトコルを設定します。
    プロトコル番号(0〜255)、もしくはプロトコル名を入力して下さい。
    プロトコルを指定しない場合は空欄のままにして下さい。
    プロトコル名で設定可能なのは、「ICMP」、「TCP」、「UDP」、「GRE」、「ESP」、「AH」、「EtherIP」のみです。
    上記以外のプロトコルを設定する場合は、プロトコル番号で設定して下さい。
     参考情報 : プロトコル番号一覧

      TOS値
      TOS(Type of Service)値を指定します。
    TOSマスクと組み合わせることにより、詳細な指定が可能です。
    16進表記で入力して下さい。
     参考情報 : TOS値 16進数変換ツール (WWWブラウザのJavaスクリプトを有効にして参照して下さい。)

      TOSマスク
      チェックするTOSフィールドを指定します。
    16進表記で入力して下さい。
     参考情報 : TOS値 16進数変換ツール (WWWブラウザのJavaスクリプトを有効にして参照して下さい。)
      【 TOS値とTOSマスクの組み合わせ例 】
     
     Case1) 全てのフィールドをチェックし、「優先度(Precedence)」が「5」(ビット0=1、ビット1=0、ビット2=1)であり、その他のビットが「0」の通信を対象とする場合。
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進) 1 0 1 0 0 0 0 0
    TOS値(16進) a0
    TOSマスク(2進) 1 1 1 1 1 1 1 1
    TOSマスク(16進) ff

     Case2) 「D(遅延)」と「R(信頼性)」のみをチェックし、そのビットが1の通信を対象とする場合。
    (その他のフィールドは無視する。)
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOS値(16進) 14
    TOSマスク(2進) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOSマスク(16進) 14

     Case3) 「D(遅延)」、「T(スループット)」、「R(信頼性)」、「M(コスト)」をチェックし、「R」と「D」のビットが1であり、「M」と「T」のビットが0の通信を対象とする場合。
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOS値(16進) 14
    TOSマスク(2進) 0 0 0 1 1 1 1 0
    TOSマスク(16進) 1e

  9. 全ての設定が完了しましたら、[追加]ボタンをクリックして下さい。



    [追加]ボタンをクリックすると、エントリに「編集を行った優先ルーティング情報」が追加されます。
     チェック!
    登録リストの順番が、そのまま処理の「優先順位」になります。
    例えば、パケットが2つ以上のエントリに一致した場合、リストの先頭により近いエントリが選択され、処理されます。

  10. 以上で優先ルーティング情報(1エントリ)の登録は完了です。
     
      エントリ右横のボタンについて
      既存のエントリを編集(修正)、移動する際に使用します。
     
      操作方法については 登録リストを有する画面に表示されるボタン (3-3.設定画面内のボタンの意味) を参照して下さい。

全ての設定が完了しましたら、[設定]ボタンをクリックして下さい。


 
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの  設定の更新  をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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