15-2.優先ルーティング設定

優先ルーティング設定について説明します。(説明内容は 14-2 優先ルーティング設定 と同じです。)

音声通信や動画配信等、特定の通信を優先的にルーティングさせたい場合、本設定を行います。

設定画面のメニューの「その他の設定」の中の、[優先ルーティング設定]をクリックして下さい。

「優先ルーティング設定」画面が開きます。



以下の内容を参照して下さい。
  設定手順

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設定手順

優先ルーティング設定について説明します。
 
優先ルーティング設定を行う際の注意
  特定の通信を優先する設定を行うためには、以下の情報が必要となる場合があります。
 
使用するプロトコル TCPプロトコルかUDPプロトコルか等
ポート番号 プロトコルの使用するポート番号xxxx等
  詳しくは、使用するアプリケーション等のマニュアルを参照して下さい。

  各ポートに登録可能なテーブル情報数は最大8個です。
  (WANポート優先ルーティング設定・8個、LANポート優先ルーティング設定・8個)


「優先ルーティングを有効にする」にチェックを入れて下さい。




設定箇所は優先度を設定する通信の方向によって異なります。



WANポート優先ルーティング設定 WANポート→LANポート方向の通信の優先度を設定します。
LANポート優先ルーティング設定 LANポート→WANポート方向の通信の優先度を設定します。


以下の手順でテーブル情報(エントリ)の登録を行って下さい。


(以降、LAN ポートに登録する例です。)
 
  1. 登録するIPフレーム以外のIPフレームの優先度を選択して下さい。


     
  2. 登録リストの[編集]ボタンをクリックして下さい。


    「LANポート 優先ルーティング リスト追加・編集」画面が表示されます。


     
  3. [優先度]を選択して下さい。



     チェック!
    手順1で設定した優先度(登録されていないIPフレームの優先度)と同じ優先度を選択すると、優先対象となりませんので注意して下さい。
     
  4. [IPアドレス/サブネット]の行の設定を行います。
     ※ 本設定は必須ではありません。必要に応じて設定を行って下さい。


     
      送信元 IPアドレス/サブネット
      送信元のIPアドレスやネットワークアドレスを指定します。
      入力欄に「IPアドレス/サブネットマスクのビット数」を入力して下さい。
    サブネットマスクのビット数を入力しない場合は、ユニキャストIPアドレス(/32)となります。
     
      送信先 IPアドレス/サブネット
      送信先のIPアドレスやネットワークアドレスを指定します。
      送信元 IPアドレス/サブネットと同じ要領で入力して下さい。
     
     
     * サブネットマスクのビット数については、付録・IPアドレス範囲(IPアドレス/サブネット) 早見表 を参考にして下さい。
      (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
     
      【 IPアドレス/サブネットの送信元と送信先の設定について 】
     Case1)[送信元]と[送信先]の両方を設定した場合
      → [送信元]で指定したアドレスから発信され、[送信先]で指定した相手に送られるIPフレームを対象とします。
     Case2)[送信元]のみを設定した場合
      → [送信元]で指定したアドレスから発信された、全てのIPフレームを対象とします。
     Case3)[送信先]のみを設定した場合
      → [送信先]で指定した相手に送られる、全てのIPフレームを対象とします。
     Case4)[送信元]と[送信先]の両方とも設定しない場合
      → [送信元]、[送信先]のアドレスによる特定はなく、全てのIPフレームを対象とします。
     
      ANDOR
    送信元送信先の両方を設定した場合に選択して下さい。
    AND [送信元]と[送信先]の両方の条件が合致した場合のみを対象とします。
    OR [送信元]と[送信先]のどちらか片方の条件が合致した場合を対象とします。
     
      【 参考例 】
    対象とするアドレス   IPアドレス/サブネットの設定  
    例1  以下のネットワークを対象とする  
      ・ネットワークアドレス:192.168.0.0
      ・サブネット:/24(255.255.255.0)
    192.168.0.0/24
    例2  以下のネットワークを対象とする  
      ・ネットワークアドレス:192.168.0.128
      ・サブネット:/25(255.255.255.128)
    192.168.0.128/25
    例3  IPアドレス:192.168.0.88 を対象とする 192.168.0.88
    もしくは
    192.168.0.88/32
    例4  以下のIPアドレス範囲をを対象とする
      ・IPアドレス:192.168.0.80〜95
    192.168.0.80/28
     
     
     *
     
    上記以外のサブネット値については、付録・IPアドレス範囲(IPアドレス/サブネット) 早見表 を参考にして下さい。
      (WWWブラウザの別ウィンドウが開きます。)
     
    WANポート優先ルーティング設定時の注意
    〜IPアドレス変換時のIPアドレス/サブネット設定について〜
    IPアドレス変換(IPマスカレード変換やNAT変換)環境の場合、WANポート優先ルーティング(WANポート→LANポート)のIPアドレス/サブネット欄にLAN側のIPアドレスを設定しても、優先ルーティングの対象となりませんので注意して下さい。

    NetGenesisの優先ルーティング機能は、IPアドレス変換前に処理されます。


    例えば、上記環境において、WANポート優先ルーティング設定に以下の設定を行っても優先ルーティングの対象となりませんので注意して下さい。
     

     
    優先ルーティングはIPアドレス変換前に処理されますので、192.168.0.2宛のパケットは優先ルーティングの対象にはなりません。

     
  5. [ポート番号]の行の設定を行います。
     ※ 本設定は必須ではありません。必要に応じて設定を行って下さい。


     
      送信元 ポート番号
    送信元のプロトコルやサービスのポート番号を指定します。
    入力欄にポート番号を入力して下さい。
     
      送信先 ポート番号
    送信先のプロトコルやサービスのポート番号を指定します。
    入力欄にポート番号を入力して下さい。
     ※ [送信元]及び[送信先]入力欄は、ポート番号とポート番号の間に「/」を入れることで、範囲を指定することができます。
      例 : 「20/23」 = 20(ftp-data)から 23(telnet)まで。
     
      【 ポート番号の送信元と送信先の設定について 】
     Case1)[送信元]と[送信先]の両方を設定した場合
      → [送信元]で指定したポート番号から発信され、[送信先]で指定したポート番号へ送られるIPフレームを対象とします。
     Case2)[送信元]のみを設定した場合
      → [送信元]で指定したポート番号から発信された、全てのIPフレームを対象とします。
     Case3)[送信先]のみを設定した場合
      → [送信先]で指定したポート番号に送られる、全てのIPフレームを対象とします。
     Case4)[送信元]と[送信先]の両方とも設定しない場合
      → [発信元]、[送信先]のポート番号による特定はなく、全てのIPフレームを対象とします。
     
      ANDOR
    送信元送信先の両方を設定した場合に選択して下さい。
    AND [送信元]と[送信先]の両方の条件が合致した場合のみを対象とします。
    OR [送信元]と[送信先]のどちらか片方の条件が合致した場合を対象とします。
     
     
    ウェルノウンポート一覧について
    ウェルノウンポートについてはプロトコル名またはサービス名での入力も可能です。
    (NetGenesisの設定画面と別のウィンドウが開きます。「ウェルノウンポート一覧」画面からコピーが可能です。)

  6. [プロトコル]の行の設定を行います。


     
      プロトコル
    対象とするプロトコルを設定します。
    プロトコル番号(0〜255)、もしくはプロトコル名を入力して下さい。
     
      TOS値
      TOS(Type of Service)値を指定します。
    TOSマスクと組み合わせることにより、詳細な指定が可能です。
    16進数で入力して下さい。
     
     参考情報 :  2進数/16進数変換表
     
      TOSマスク
      チェックするTOSフィールドを指定します。
    16進数で入力して下さい。
     
     参考情報 :  2進数/16進数変換表
     
      【 TOS値とTOSマスクの組み合わせ例 】
     
     Case1) 全てのフィールドをチェックし、「優先度(Precedence)」が「5」(ビット0=1、ビット1=0、ビット2=1)であり、その他のビットが「0」の通信を対象とする場合。
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進数) 1 0 1 0 0 0 0 0
    TOS値(16進数) a0
    TOSマスク(2進数) 1 1 1 1 1 1 1 1
    TOSマスク(16進数) ff
     
     参考情報 :  2進数/16進数変換表
     
     Case2) 「D(遅延)」と「R(信頼性)」のみをチェックし、そのビットが1の通信を対象とする場合。
    (その他のフィールドは無視する。)
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進数) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOS値(16進数) 14
    TOSマスク(2進数) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOSマスク(16進数) 14
     
     参考情報 :  2進数/16進数変換表
     
     Case3) 「D(遅延)」、「T(スループット)」、「R(信頼性)」、「M(金銭的コスト)」をチェックし、「R」と「D」のビットが1であり、「M」と「T」のビットが0の通信を対象とする場合。
     
      優先度
    (Precedence)
    D T R M 予約
    TOS値(2進数) 0 0 0 1 0 1 0 0
    TOS値(16進数) 14
    TOSマスク(2進数) 0 0 0 1 1 1 1 0
    TOSマスク(16進数) 1e
     
     参考情報 :  2進数/16進数変換表
     

  7. 全ての設定が完了しましたら、[追加]ボタンをクリックして下さい。



    [追加]ボタンをクリックすると、エントリに「編集を行った優先ルーティング情報」が追加されます。
     
     チェック!
    登録リストの順番が、そのまま処理の「優先順位」になります。
    例えば、パケットが2つ以上のエントリに一致した場合、リストの先頭により近いエントリが選択され、処理されます。

    以上でホスト情報(1エントリ)の登録は完了です。
     
      エントリ右横のボタンについて
      既存のエントリを編集(修正)、移動する際に使用します。
     
      操作方法については 登録リストを有する画面に表示されるボタン (3-3.設定画面内のボタンの意味) を参照して下さい。

全ての設定が完了しましたら、[設定]ボタンをクリックして下さい。


 
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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