2つのWANポートで回線冗長化を行う
2つのWANポートに2つの異なる回線を接続して回線冗長化を行うことにより、万が一の回線障害をすみやかに回避することができます。

以下の環境を例に設定方法を説明します。

設定内容・目的
  • ・WANポート1はPPPoEセッション1 IPアドレス自動取得で設定する。
  • ・WANポート2はDHCPクライアントで設定する。
  • ・WANポート1をメインポートとして設定し、通常時に使用する。
  • ・WANポート2をバックアップポートとして設定し、WANポート1が切断状態になった場合に使用する。
  • ・PING回線死活監視機能を使用し、メインポート(WANポート1)の死活監視を行う。

回線冗長化機能の確認事項
回線冗長化機能(デフォルトゲートウェイの自動切り替え)は、以下の場合に動作します。
  •  ・PING回線死活監視機能によりメインポートの切断を検知した(PING応答が無い)場合。(メインポートからバックアップポートへ切り替え)
  •  ・PPPoE接続が切断された場合。
  •  ・WANポートのIPアドレスが自動取得(更新)できない場合。
  •  ・WANポートのリンクが切断された場合。
  •  ・バックアップポートで動作中にメインポートが復旧した場合。(バックアップポートからメインポートへ切り替え)
UPnP機能とIPv6ブリッジ機能は、WANポート1(PPPoEセッション1)でのみ動作します。
回線冗長化機能により、デフォルトゲートウェイがWANポート2に切り替わった場合、これらの機能は使用できなくなりますのでご注意下さい。

PING回線死活監視機能の確認事項
PING回線死活監視機能を使用するためには、ファームウェアをV5.304.00にバージョンアップする必要があります。
ファームウェアバージョンアップについては こちら を参照して下さい。
ファイアウォール設定で特定のパケットのみを透過する設定にしている場合、PING回線死活監視機能の通信を透過するフィルタを追加する必要があります。
詳しくは 補足:PING回線死活監視機能とファイアウォール設定について を参照して下さい。

設定手順は以下の4ステップになります。
 ステップ1:WANポート1のPPPoE接続設定を行う
 ステップ2:WANポート2のDHCPクライアント接続設定を行う
 ステップ3:スタティックルーティング設定を行う
 ステップ4:回線冗長化の設定を行う
 補足:PING回線死活監視機能とファイアウォール設定について
 
ステップ1: WANポート1のPPPoE接続設定を行う
WANポート1(PPPoEセッション1)にインターネットへ接続するための設定を行います。
(WANポート1の接続設定が既に完了している場合は、ステップ2 に進んで下さい。)
メモ) ・プロバイダから提供された設定資料を用意して下さい。
・PPPoE IPアドレス自動取得以外の接続方法については、ユーザーズマニュアルを参照して下さい。
 NetGenesis GigaLink2000ユーザーズマニュアル第2版
  1.  1. WWWブラウザを起動し、アドレス入力欄にNetGenesisのLANポートIPアドレス(工場出荷値:192.168.0.1)を入力して、Enterキーを押して下さい。
     

     2. ユーザー認証画面が表示されますので、ユーザー名、パスワード(工場出荷値:ユーザー名「admin」、パスワード無し)を入力して「OK」ボタンをクリックして下さい。
    「NetGenesisの設定」画面(トップ画面)が表示されます。
     

     3. 「WANポートの設定」から「WANポート1 動作モード・帯域制限設定」をクリックして下さい。
     

     4. 「PPPoEクライアント」枠の中の「IPアドレス自動取得 / IPアドレス固定...」を選択して、画面下の[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。
     

     5. 「PPPoE ポート1(セッション1) を使用する」にチェックを入れ、「IPアドレス自動取得」を選択して下さい。
    「使用するWANポート」で「WANポート1」を選択して、[セッション1 詳細設定]ボタンをクリックして下さい。
     

     6. 「PPPoEクライアント設定」画面が開きます。
    プロバイダの設定資料を参照して、接続情報(アカウント)の設定を行って下さい。
    その他の設定項目は必要に応じて設定して下さい。
    その他の設定項目については、ユーザーズマニュアルの「4-3.PPPoE ポート1(セッション1) IPアドレス自動取得設定」を参考にして下さい。
     

     7. 設定が終わりましたら、[設定]ボタン(画面下)をクリックして下さい。
     

     8. 「PPPoE セッション1の詳細設定」画面の先頭へ戻りますので、[PPPoE 動作モード設定] へ戻るリンクをクリックして下さい。
     

     9. 「PPPoE動作モード設定」画面に戻りますので、[PPPoE動作モード適用]ボタンをクリックして下さい。
     

以上で「ステップ1:WANポート1のPPPoE接続設定を行う」は完了です。
ステップ2:WANポート2のDHCPクライアント接続設定を行う へ進んで下さい。
 
ステップ2: WANポート2のDHCPクライアント接続設定を行う
WANポート2にインターネットへ接続するための設定を行います。
(WANポート2の接続設定が既に完了している場合は、ステップ3 に進んで下さい。)
メモ) ・プロバイダから提供された設定資料を用意して下さい。
・DHCPクライアント以外の接続方法については、ユーザーズマニュアルを参照して下さい。
 NetGenesis GigaLink2000ユーザーズマニュアル第2版
  1.  1. 「WANポートの設定」から「WANポート2 動作モード設定」をクリックして下さい。
     

     2. 「DHCPクライアント」枠の中の「DHCPクライアント IPアドレス自動取得」を選択して、画面下の[詳細設定]ボタンをクリックして下さい。
     

     3. 「DHCPクライアント設定」画面が開きますので、接続設定を行って下さい。
    設定項目については、ユーザーズマニュアルの「7-2.DHCPクライアント・IPアドレス自動取得設定」を参考にして下さい。
     
     チェック!
    インターネット接続行うだけであれば特に設定の必要ありません
     

     4. 設定が終わりましたら、[設定]ボタン(画面下)をクリックして下さい。
     

以上で「ステップ2:WANポート2のDHCPクライアント接続設定を行う」は完了です。
ステップ3:スタティックルーティング設定を行う へ進んで下さい。
 
ステップ3: スタティックルーティング設定を行う
スタティックルーティング設定を行います。
  1.  1. 「ルーティングの設定」から「スタティックルーティング設定」をクリックして下さい。
     

     2. 「PPPoE ポート1(セッション1)」欄の「PPPoEポート1(セッション1)をデフォルトゲートウェイに設定する」にチェックを入れて下さい。
    その他の「デフォルトゲートウェイに設定する」のチェックは外して下さい。
     

     3. 設定が終わりましたら、[設定]ボタン(画面下)をクリックして下さい。
     

以上で「ステップ3:スタティックルーティング設定を行う」は完了です。
ステップ4:回線冗長化の設定を行う へ進んで下さい。
 
ステップ4: 回線冗長化の設定を行う
回線冗長化の設定を行います。
  1.  1. 「その他の設定」から「回線冗長化の設定」をクリックして下さい。
       

     2. 「回線冗長化機能を使用する」にチェックを入れて下さい。
    メインポートで「PPPoEセッション1」を選択して下さい。
    バックアップポート1で「WANポート2(PPPoE以外の動作モード)」を選択して下さい。
     

     3. 「初期動作待ち時間の設定」と「切り替え実行待ち時間の設定」を行って下さい。
     

     4. 「PINGによる回線死活監視を行う」にチェックを入れて下さい。
     

     5. 「PING発行先」にPINGの宛先IPアドレス、または宛先FQDN(ドメイン名)を入力して下さい。
    「PINGの発行間隔」を設定して下さい。
     
     
     チェック!
    PING発行先にPINGコマンドに応答しないIPアドレスやFQDNを設定すると、メインポートが回線切断状態と判断されますのでご注意下さい。
     
     チェック!
    PINGのパケットサイズは64バイト固定です。

     5. 「切断検知回数」と「接続検知回数」を設定して下さい。
     

     6. 設定が終わりましたら、[設定]ボタン(画面下)をクリックして下さい。
     

以上で全ての設定は完了です。
左のメニューの  設定の更新  をクリックして下さい。
"設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
 
補足: PING回線死活監視機能とファイアウォール設定について
ファイアウォール設定で特定のパケットのみを透過する設定にしている場合、PING回線死活監視機能の通信を透過するフィルタを追加する必要があります。
以下の2つのフィルタを追加して下さい。
メモ) ファイアウォール設定の詳細については、ユーザーズマニュアルを参照して下さい。
 NetGenesis GigaLink2000ユーザーズマニュアル第2版

追加するフィルタ

目的

追加 1
 Action PASS(透過)

 IN

own_app

 OUT

PPPoE1
 IP/Mask :  Src. −(空欄) Dst. −(空欄) AND/OR
 Port No.:  Src. −(空欄) Dst. −(空欄) AND/OR
 DNS QTYPE: −(空欄)
 Protocol : ICMP Flags −(未設定)
NetGenesisのアプリケーションポート→PPPoE1方向のPING(ICMP)を透過します。
(PING回線死活監視機能の通信を透過します。)
追加 2
 Action PASS(透過)

 IN

PPPoE1

 OUT

own_app
 IP/Mask :  Src. −(空欄) Dst. −(空欄) AND/OR
 Port No.:  Src. −(空欄) Dst. −(空欄) AND/OR
 DNS QTYPE: −(空欄)
 Protocol : ICMP Flags −(未設定)
追加1の応答を透過します。

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