7-6 RIPの設定

RIPの設定について説明します。

RIPとは、「通信経路の情報を伝送するルータ間プロトコル(通信規約)」のことです。

NetGenesisと他のRIP対応機器との間でRIPを使用することにより、ルーティングの設定が自動的に行われるようになります。

RIPの設定を行うためには、ネットワークに関する知識が必要です。
設定を行う場合は、ネットワーク全体の構成を明確化し、LAN管理者等と相談の上で設定して下さい。

以下の内容を参照して下さい。
 7-6-1 動作内容
 7-6-2 RIP1/RIP2の設定
 7-6-3 RIP信用ルータの設定

第7章 LANポートの設定・高度な設定 へ戻る

7-6-1 動作内容

RIPの動作について説明します。

以下の内容を参照して下さい。
 RIPを使用する場合・使用しない場合の違い
 RIP1とRIP2の違い
 RIPの制限とWAN側へのRIP広告動作

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RIPを使用する場合・使用しない場合の違い

RIPを使用する・使用しない場合の、ルーティング設定の違いについて説明します。

NetGenesisと他のルータ間でRIPを使用することにより、ルーティングの設定が自動的に行われるようになります。

以下の環境例を参考にして下さい。

(本社・支社のLANともにサブネットマスクが「255.255.255.0」の例です。)
(NetGenesis SuperOPT50を使用した例です。)
  ※ NetGenesis4 Stdはモデム/ターミナルアダプタ外付け型のIPルータです。
(2つのシリアルポートを搭載。)

  RIPを使用しない場合の設定
  →

本社LANのNetGenesis SuperOPT50の設定
(ルーティングテーブルの設定・LANポート)

IPアドレス 192.168.1.0
サブネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイアドレス 192.168.0.200
メトリック 1
上記のNetGenesis SuperOPT50の設定に加え、本社LAN・支社LANのそれぞれのNetGenesis4 Stdにルーティングの設定が必要です。
本社LANのインターネット1(CATV)において、何らかの障害(CATV側のメンテナンス等)が発生したため、WANポートのDHCPクライアントがIPアドレスを取得できない、あるいは取得したIPアドレスの更新に失敗した場合、インターネット1が復旧されるまで不通となります。
(ルーティングの設定が固定で、かつ支社LANへルーティング情報のみのため。)

  RIPを使用する場合の設定
  → 本社LANのNetGenesis SuperOPT50とNetGenesis4 Std、支社LANのNetGenesis4 StdにおいてRIPを使用する場合、ルーティングの設定はRIPによって自動的に行われるため不要です。
 ※ RIPの具体的な設定内容については、ここでは省略します。
本社LANのインターネット1(CATV)において、何らかの障害(CATV側のメンテナンス等)が発生したため、WANポートのDHCPクライアントがIPアドレスを取得できない、あるいは取得したIPアドレスの更新に失敗した場合、本社LANのNetGenesis4 Std(IPアドレス:192.168.0.200)を経由して、支社LANのインターネット2へ接続するようになります。
 ※ RIPによって、支社LANのインターネット2への通信経路情報が、本社のNetGenesis SuperOPT50へ知らされているため。
WANポートのDHCPクライアント機能が、インターネット1・CATVからIPアドレスの再取得に成功した時点でインターネット1へ接続するようになります。

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RIP1とRIP2の違い

RIP1とRIP2の違いについて説明します。

RIP2はRIP1の上位互換で、RIP1に対して以下の機能が追加されています。
 
  サブネットマスク情報の広告
RIP1の場合、サブネットマスク情報を広告しませんので、サブネットマスクによって分けられたネットワークについては、正しくルーティングの制御を行うことができません。
 (サブネットマスク情報を受け付けることもできません。)
【 RIP1 】

ネットワーク1

  

RIP1の場合、ネットワーク1とネットワーク2を
同一ネットワークとして認識してしまう。

正しくルーティングの制御を行うことができない。

(サブネットマスク情報を広告しないため。)

IPアドレス:192.168.0.0
サブネットマスク:255.255.255.128

ネットワーク2

IPアドレス:192.168.0.128
サブネットマスク:255.255.255.128
これに対し、RIP2はサブネットマスク情報を広告する・受け付けることが可能なため、サブネットマスクによって分けられたネットワークにおいても、正しくルーティングの制御を行うことができます。
【 RIP2 】

ネットワーク1

  

RIP2の場合、ネットワーク1とネットワーク2を
別ネットワークとして認識可能。

正しくルーティングの制御を行うことが可能。

(サブネットマスク情報を広告するため。)

IPアドレス:192.168.0.0
サブネットマスク:255.255.255.128

ネットワーク2

IPアドレス:192.168.0.128
サブネットマスク:255.255.255.128

  RIPルータ間の認証機能
RIP2では、RIP2ルータ間でパスワードによる認証を行うことが可能です。
認証機能を使用した場合、同一パスワードのRIP2ルータからのRIP広告のみを受け付けます。
RIP1ルータ、及び異なるパスワード、または認証なしのRIP2ルータからのRIP広告は受け付けません。

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RIPの制限とWAN側へのRIP広告動作

RIPの制限と、WANポート側へのRIP広告動作について説明します。

  RIPの制限
RIP広告が届くルータのホップ数(段数、ネットワークの数)は15段(メトリック15)までです。
16段目以降にはRIP広告は届きません。
ネットワーク1 0段目(メトリック0)
IPアドレス:192.168.0.0
サブネットマスク:255.255.255.0
ネットワーク2 1段目(メトリック1)
IPアドレス:192.168.1.0
サブネットマスク:255.255.255.0
ネットワーク3 2段目(メトリック2)
IPアドレス:192.168.2.0
サブネットマスク:255.255.255.0
ネットワーク4 3段目(メトリック3)
IPアドレス:192.168.3.0
サブネットマスク:255.255.255.0




 
ネットワーク16 15段目(メトリック15)

RIP広告が届くのはここまで
IPアドレス:192.168.15.0
サブネットマスク:255.255.255.0
ネットワーク17 以降、RIP広告は届きません
IPアドレス:192.168.16.0
サブネットマスク:255.255.255.0

  WAN側へのRIP広告動作について
WANポートの動作モードによって、WAN側へのRIP広告動作が異なります。
  WAN側へのRIP広告動作が有効となる動作モードは「ローカルルータ」のみです。
(他の動作モードの場合、動作保証外となります。)

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7-6-2 RIP1/RIP2の設定

RIPの設定について説明します。

RIPの設定を行う場合、以下の手順で行って下さい。
  1. 「LANポートの設定」画面で、[RIP]ボタンをクリックして下さい。



  2. 「RIPの設定」画面が開きます。

    [RIPを使用する]にチェックを入れて下さい。



  3. 「RIP1」と「RIP2」のどちらを使用するか、選択します。

    NetGenesisとRIP広告をやりとりするルータに合わせて、[RIP1]か[RIP2]を選択して下さい。



    RIP1ではサブネットマスク情報を広告しません。
    (受け付けることもできません。)
    よって、サブネットマスクによって分けられたネットワークについては、正しくルーティングの制御を行うことができませんので、注意して下さい
      [RIP1]を選択した方は、5へ進んで下さい。
      [RIP2]を選択した方は、4へ進んで下さい。

  4. [RIP2]を選択した場合、RIP2ルータ間でパスワードによる認証を行うことにより、一部のRIP2ルータとのみ、RIP広告をやりとりすることができます。

    パスワードを設定する方は、[認証機能を使用する]にチェックを入れ、[パスワード]、及び[パスワード再入力]欄に設定するパスワードを半角英数字(最大16文字)で入力して下さい。



    他のルータに設定されているパスワードと、同じパスワードを入力して下さい。パスワードを間違えた場合、パスワードが設定されているルータからのRIP広告を受け付けなくなりますので、注意して下さい。
    パスワードを設定した場合、RIP1ルータ、及び、異なるパスワード、または認証なしのRIP2ルータからのRIP広告を、受け付けなくなりますので注意して下さい。

    備 考 〜 パスワードの入力欄の表示について 〜
    一度本画面を閉じた後に再度開くと、[パスワード]及び[パスワード再入力]欄は、入力したパスワードの文字数に関係なく「*」が表示されます。
    【 参考例 】
    ・Internet Explorer (Windows) 「*」が8個表示されます。
    ・Netscape Communicator (Windows、Macintosh)
    ・Internet Explorer (Macintosh)
    「*」が16個表示されます。

  5. RIP信用ルータの設定を行う場合7-6-3 RIP信用ルータの設定 へ進んで下さい。

    RIP信用ルータの設定を行わない場合、または「RIP1」を選択した場合、設定は全て完了です。

    「RIPの設定」画面で[OK]ボタンをクリックして下さい。

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7-6-3 RIP信用ルータの設定

RIP信用ルータの設定について説明します。

ここで登録したルータからのRIP広告(更新情報)を、NetGenesisが受け入れるか・受け入れないかを設定します。

[RIP信用ルータを設定する]にチェックを入れて下さい。



[登録したルータからの更新情報を受け入れる]か、[登録したルータの更新情報を受け入れない]のどちらかを選択して下さい。



以下の内容を参照して下さい。
 RIP信用ルータの新規登録
 RIP信用ルータの編集(修正)
 RIP信用ルータの削除

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RIP信用ルータの新規登録

以下の手順で信用ルータの登録を行って下さい。
 
登録可能な信用ルータ数は、最大8個です。
  1. 登録するRIP信用ルータのIPアドレスを半角数字で入力して下さい。



  2. [追加]ボタンをクリックして下さい。

    入力したIPアドレスが登録リストに追加されます。



以上でRIP信用ルータの登録は完了です。
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RIP信用ルータの編集(修正)

登録済みのRIP信用ルータを修正したい場合、以下の手順で行って下さい。
  1. 「登録リスト」欄の中から、修正するRIP信用ルータ(IPアドレス)を選択して、[編集]ボタンをクリックして下さい。



  2. 選択したRIP信用ルータのIPアドレスが入力欄に表示されますので、必要に応じて修正を行って下さい。



  3. 修正が終わりましたら[追加]ボタンをクリックして下さい。

    修正した内容が「登録リスト」に追加されます。

以上でRIP信用ルータの修正は完了です。
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RIP信用ルータの削除

登録済みのRIP信用ルータ(IPアドレス)を削除したい場合、削除するRIP信用ルータ(IPアドレス)を選択して、[削除]ボタンをクリックして下さい。
 




削除を行った場所は、そのまま空欄になります。
新たにRIP信用ルータの登録を行うと、その空欄の場所に登録されます。

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