10-1.シリアルポート 動作モード設定

シリアルポートの「動作モード設定」について説明します。

以下の手順で設定を行って下さい。

  1. 設定画面のメニューの「WANポートの設定」の中の、[シリアルポート 動作モード設定]をクリックして下さい。
    「シリアルポート 動作モード設定」画面が開きます。


     
  2. 「ダイヤルアップIP接続を使用する」にチェックを入れて下さい。


     
  3. 「ニックネーム(接続名称)」を設定して下さい。
    接続先を判別しやすい名称(ISP名称等)へ変更することをおすすめします。
    (半角英数字で最大31文字まで入力可能です。)


     
  4. 「回線の種類」を選択して下さい。


     
  5. 接続情報(アカウント)の設定を行って下さい。




      ユーザー名 〔必須〕
      ISPやRASサーバーへ接続するためのユーザー名を半角英数字で入力して下さい。
     
    パスワード
    パスワード再入力
     〔必須〕
      ISPやRASサーバーへ接続するためのパスワードを半角英数字で入力して下さい。
     
    ユーザー名とパスワードを入力する際、半角大文字と小文字を間違えないように注意して下さい。
     
      アクセスポイント 〔必須〕
      ISPやRASサーバーのアクセスポイント(接続先電話番号)を半角数字で入力して下さい。
     
     備考) アナログモデムを接続し、かつ、PBXの0発信の回線に接続する場合は、こちら を参考にして下さい。
     
  6. 端末速度(DTE)の設定を行って下さい。




    使用するISDNターミナルアダプタ/アナログモデムが対応している速度を選択して下さい。
     
  7. 追加ATコマンドの設定を行って下さい。(最大120文字まで入力可能です。)


     
    追加ATコマンドについて
    ISDNターミナルアダプタを使用する場合は、追加ATコマンドは必須です。
    ISDNターミナルアダプタのマニュアル等を参照して、「PPP 64K/MP128K」等の通信モードを指定するATコマンドを入力して下さい。

    弊社で動作確認済みのISDNターミナルアダプタ/アナログモデムは以下の通りです。
     
    メーカー名 機種名 追加ATコマンド
    ALEXON TD480
    PPP64K : ATE0Q0V1X1\Q3G1=2
    MP128K : ATE0Q0V1X1\Q3G1=0
    NEC AtermIT21L
    PPP64K : AT$N1=1
    MP128K : AT$N11=1
    NTT INSメイト V30 Slim
    PPP64K : AT$N11=0
    MP128K : AT$N11=1
    OMRON ME5614D2 追加ATコマンド無し
    【 注意 】
    左の各機種については、弊社が独自に動作確認を行ったものです。
    各メーカーがNetGenesisでの動作を保証するものではありませんのでご了承下さい。

    参考)PBXの0発信について
    アナログモデムを接続し、かつ、PBXの0発信の回線に接続する場合、以下のような設定が必要となります。
     ・ 「アクセスポイント」欄の先頭に、「0,」(ゼロ カンマ)を追加する。(例.0,xx-xxxx-xxxx)
     ・ 「追加ATコマンド」欄に、「ダイヤルトーンを検出しない」ようにする設定コマンドを追加する。(例.ATX3)
    【 注意 】
    上記はあくまで一例であり、実際の動作を保証するものではありません。
    PBXの0発信の回線へ接続する場合は、あらかじめ、使用するアナログモデムやPBX側の仕様を確認して下さい。
     
  8. 回線接続方法の設定を行って下さい。




      自動接続
      シリアルポート側への通信を検出し、自動的に回線接続を行います。
      手動接続
      回線の接続を行う場合は PPPoE/シリアルポート情報・制御 で[手動接続]を行って下さい。
     
    自動接続機能を使用した場合、使用方法によっては意図しない通信による過剰な通信料金が発生する可能性がありますので、必ず以下の内容を参照して下さい。

    自動接続機能、無通信自動切断機能についての注意事項
     

  9. 無通信自動切断の設定を行って下さい。

    通信(送受信)を監視し、設定した時間内に通信が無かった時に、自動的に回線を切断します。

    (送信と受信の無通信監視時間を、それぞれ別の時間に設定することが可能です。)




      送信無通信時間
      受信無通信時間
      工場出荷値は[送信無通信時間]、[受信無通信時間]ともに「00:03:00」(3分)です。
     
     チェック!
    無通信自動切断を無効にすることはできません。


    使用方法によっては意図しない通信により無通信自動切断が行われず、過剰な通信料金が発生する可能性がありますので、必ず以下の内容を参照して下さい。

    自動接続機能、無通信自動切断機能についての注意事項
     
  10. 必要に応じて、無切断時間の設定を行って下さい。
    ここで設定した開始時間から終了時間までの間は、無通信自動切断の設定を無効にし、終了時間に達した時点で回線を切断します。




      無切断時間を設定する
      無切断時間を設定する場合にチェックを入れて下さい。
      開始時間
      終了時間
      無切断時間の開始時間と終了時間を設定します。
     
     チェック!
    開始時間と終了時間に同じ時間(24時間)を設定することははできません。
      切断時刻に通信があった場合は、無通信自動切断により切断を行う。
      チェックを入れた場合、無切断時間の終了時間になっても回線切断を行わず、無通信自動切断による切断処理に移行します。
    チェック無しの場合は、終了時間に達した時点で通信の有無に関係なく回線を自動切断します。
     
    無切断時間の設定を行う際の注意
      無切断時間の設定を行う場合、NetGenesisの時刻設定が必要です。
    NetGenesisの時刻設定を行わないと、無切断時間の設定が正しく動作しませんので、注意して下さい。

    NetGenesisの時刻を合わせる方法には、以下の2種類があります。
    (どちらかを必ず行って下さい。)
     方法1) [NetGenesisの時刻を合わせる]
      NetGenesisの設定画面を開いているパソコンの時刻をNetGenesisに設定します。
      詳しくは、16-2.時刻設定 を参照して下さい。
     方法2) NetGenesisの「SNTPクライアント」機能を利用する方法
      インターネット(またはLAN)上のSNTP/NTPサーバー(時刻情報のサーバー)を利用して、NetGenesisに時刻を設定します。
      詳しくは、13-2.SNTPサーバー設定 を参照して下さい。
     
  11. DMZホスト機能を使用する場合は、チェックを入れて下さい。
    DMZホスト機能については、11-2.DMZホスト機能の設定 を参照して下さい。


     
  12. 必要に応じて、セッション情報保持時間の設定を行って下さい。
    特に変更する必要が無い場合、工場出荷値「3分」のままでお使い下さい。



    工場出荷値「3分」の場合、以下のようになります。
     
    8192セッション(※1)が使われた状態になる。
    最後の通信から3分以上(※2)経過したセッションがある?
    ある
    ない
    3分以上経過したセッションを消去し、
    新たなセッション情報を保持することが
    できるため、他の通信が可能。
    新たなセッション情報を
    保持できないため通信不可。
     ※1: IPマスカレードでは最大8192セッションのデータのやりとりが可能です。
     ※2: (NetGenesisが)TCPのセッションクローズを認識した場合、セッション情報保持時間の設定に関係なく、そのセッションを消去します。
     
    備 考
      IPマスカレードによって同時にインターネットへ接続できるセッション数
      IPマスカレードでは最大8192セッションのデータのやりとりが可能です。(※1・※2)
      「セッション」とはTCP/UDP/ICMPによるデータ処理の単位です。
      例えば、WWWブラウザの1つのウインドウを「1セッション」としてカウントします。
      (1つのウィンドウが本マニュアルの本項目のように、フレームによって2つに分かれている場合は「2セッション」とカウントされます。)
      通常、1台のパソコンでインターネットへ接続する場合、WWWブラウザやメールソフトウェア等により約10〜20セッション程度使用すると言われています。
     
     ※1: LAN側→シリアル側のセッション、シリアル側→LAN側のセッションの両方が対象となります。
     
     ※2: WAN/PPPoEポートとシリアルポートを併用する場合、使用する全てのポートの合計で最大8192セッションとなります。

      [セッション情報保持時間]を変更する際の注意
      [セッション情報保持時間]の設定値を工場出荷値(3分)よりも長い時間に設定する場合、インターネットとの通信状況によってはデータの送受信が停止することがあります。
      例えば[セッション情報保持時間]を[20時間]に設定した場合、ある1つの通信が終了してもそのセッションは20時間保持され続けるため、NetGenesisの同時使用可能なセッション数・8192を使い切ってしまうことが考えられるためです。
      [セッション情報保持時間]を工場出荷値よりも長い時間に設定する場合、インターネットとの通信状況やLAN内のパソコンの台数等を考慮した上で設定するようにして下さい。
     
     チェック!
    NetGenesisが8192セッション(※)を使い切っている場合、SYSLOG上に
     IP Masquerade session table full
    と表示されます。(SYSLOGの設定が必要です。)
    SYSLOGについては 13-3.SYSLOG設定 を参照して下さい。
     ※ PPPoEマルチセッション機能を使用する場合、使用する全てのPPPoE セッションの合計で最大8192セッションとなります。

      IPマスカレードにおける留意事項
      IPマスカレードを使用する場合、初期状態では一部正しく動作しないソフトウェアがあります。
      例えば、LAN内に以下のような用途で使用するパソコンがある場合、「DMZホスト機能」の設定、または「IPマスカレードテーブル」の設定が必要です。
       例1)WWWサーバーやFTPサーバーを運用するパソコン。
     例2)ネットワークゲームを行うパソコン。
     例3)IPSec通信を行うパソコン。
      (LAN内で「WAN側から通信が開始されるソフトウェアを使用する」場合に該当します。)
      設定方法等については 11.サーバー公開を行う −IPアドレス変換有効時− を参照して下さい。
     
  13. PPTP変換機能を使用する場合は「PPTP変換を有効にする」にチェックを入れて下さい。
    チェックを入れることにより、LAN内のPPTPクライアントとWAN側のPPTPサーバー間で、PPTPによるVPNネットワークを構築することが可能になります。

    (GREプロトコルの変換が有効になります。)



    NetGenesisはVPNの変換機能として「PPTP変換」機能と「IPSecパススルー」機能(※)の2つに対応しており、ルータを介したVPNネットワークを構築することが可能です。
     
     ※ IPSecパススルー機能は、IPマスカレードテーブルに「UDP:500番(IKE)」と「ESP」を設定するか、DMZホスト機能を使用することにより、使用可能になります。
      (本項目では設定できません。)
      詳しくは 11.サーバー公開を行う −IPアドレス変換有効時− を参照して下さい。
     
    PPTP変換機能を使用する際の注意
      契約しているISPによっては、「PPTP変換を有効にする」にチェックを入れても、WAN側のPPTPサーバーへ接続できない場合があります。
      (ISPから付与されたIPアドレスがグローバルIPアドレスでは無い場合や、セキュリティの問題によりISP側で遮断している場合等。)
      NetGenesisのLAN内のパソコンからPPTP接続を行う場合、あらかじめ契約しているISPへ確認して下さい。

      LAN内で運用しているPPTPサーバーへ、WAN側から接続可能とするための設定については 11-1-2.VPNプロトコル(IPSecとPPTP)の扱い(11.サーバー公開やネットワークを行う) を参照して下さい。
      (上記の "PPTP変換を有効にする" にチェックを入れることと、IPマスカレードテーブル設定の両方が必要となります。)
     
  14. DNS情報の設定を行って下さい。

    回線接続方法の設定 で「手動接続」を選択した場合で、かつISPの資料や接続先の情報にDNS情報がない場合は、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」にチェックを入れて下さい。(工場出荷値:チェック有り)

    回線接続方法の設定 で「手動接続」を選択した場合で、かつISPの資料や接続先の情報にDNS情報がある場合は、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」にチェックを外して、DNS情報(DNSサーバー・ネームサーバー)のIPアドレスを入力して下さい。

    回線接続方法の設定 で「自動接続」を選択した場合で、かつISPの資料や接続先の情報にDNS情報がない場合は、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」と「AutoDNS機能を使用する」両方にチェックを入れて下さい。(工場出荷値:両方ともチェック有り)

    回線接続方法の設定 で「自動接続」を選択した場合で、かつISPの資料や接続先の情報にDNS情報がある場合は、「WAN側から取得したDNS情報を優先する」のチェックを外して、DNS情報(DNSサーバー・ネームサーバー)のIPアドレスを入力して下さい。
  15.  
  16. 画面下の[設定]ボタンをクリックして下さい。


以上で シリアルポート 動作モード設定 は完了です。
 
  送信先IPアドレスによる通信の振り分け」を行う場合
  10-2.スタティックルーティング設定 へ進んで下さい。
  送信元IPアドレスによる通信の振り分け」」を行う場合
  10-3.ソースルーティング設定 へ進んで下さい。
 
全ての設定が完了した場合は、
左のメニューの   設定の更新   をクリックして下さい。
  "設定の更新" と "NetGenesisの再起動" を行って下さい。
  詳しくは 3-4.設定の終了(更新・再起動) を参照して下さい。
  引き続き他の設定を行う場合は、左のメニューをクリックし、必要な設定を行って下さい。
 
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